第21話 私はパンとお米に振り回されている

部活の時間。


けど、私たちは調理実習室にいる。


いつもは剣道着に着替えているけど、ここに集うものはみなエプロンだ。家庭科の授業で使うもので助かった。


エプロンを皆ちゃんとつけられてる。小春ほどズボラは少ないみたいだ。


「楽しみだね。朝日先輩」


小桃が私の手を握りてニコニコしてる。


この子はボディタッチは日常のようで呆れてしまっていた。


「そうだね……小春」


 とりあえず、なに作ろうかな………皆の提案を受け入れて考えていた。


 卵焼き、唐揚げ、ハンバーグはできる人がおかずとしてそれなりに作ればいい。


  問題はメインは……小桃はサンドイッチ、宍戸先輩はおにぎり。


「サンドイッチもオシャレだよね」


料理本にのってある女子力たかそうなサンドイッチの、数々。


たまごサンド、カツサンド、ツナマヨサンド

サラダサンドという定番から、いちごクリームサンドというおやつめいたサンドイッチものってある。


「おにぎりも悪くないよね……」


 宍戸先輩のおにぎり案も試合後にはちょうどいいかも。


「いいよね〜おにぎり、お弁当にピッタリだね」


その意見に賛成。おにぎりお弁当はこういうたくさんの人の中で食べるにはちょうどいい。


米を洗い、炊いて、握る。すぐに教えられる……と思う。


 炊飯だけでも大変そうだなと、少し呆れてしまう。何合必要だろう?


「もっと、オシャレなのがいい」


私は腕を組んで?


「なら、小桃のサンドイッチ?」


 いや、あれもパンは何斤必要になる。

 計算するだけで恐ろしい。


色取り豊かには簡単にできる。

おにぎりでもできない事もない。


けど、この人数じゃ、難しい……


いつも、合宿とかでお米ってどれだけ使うのだろうか……考えることたくさんだ。


中に入れるオカズを考えるとどちらの手間も同じ……なら、お腹をたまること考えるとこちらがいいかな。


「あのさ。おにぎりでも早やかにできるけど」


 私はスマホでおにぎりを検索して、見せてみる。


そこには彩りゆたかなおにぎりの写真が入ったお弁当が載せられていた。


「おにぎりって、こんなにたくさん!」


小春も、目を丸くして覗き込んでいた。

周りの部員もワキワキと目を輝かしてみつめる。


「カラフルだね〜」

「これなら、女子力を見せつけられるかもね」

「へぇ~けっこう、可愛い〜」


などと好評な意見が多い。


おにぎりといっても、シンプルな三角型から、俵型、混ぜ込みおにぎりと、他にもいろいろなおにぎりの種類がある。


具材でも、梅干しから、シャケ、昆布、ツナマヨなんて定番からアボカドなんて驚きの具材まであるのを私も初めてしった。ウナギとか高くないかな?


目を丸くして朝日もネットで見ていた。


「オムライスおにぎりオシャレ〜」

「私、肉巻き!」

「ツナマヨ!」

「ドライカレーおにぎりなんてあるんだ!」


それぞれの画像をワイワイと見ている。

皆、それぞれネットで調べて、提案していく、何種類作れるか、なかなか楽しいかもしれない。


「サンドイッチもおいしそうだけど、おにぎりもいい感じかも」


雰囲気が変わったのを見て、とりあえず多数決で決めるべきだろうか。


「ねぇ、おにぎりとサンドイッチどちらにする?」


手間はどちらも同じようなものだろうか、サンドイッチのほうがパンを利用すればいいから難しくないけど、試合後にどちらを食べたいかと考える。


私は塩っ気のあるオニギリはかなり嬉しい。


「おにぎり!」「私もおにぎり!」


今のカラフルなたくさんのおにぎりをみてしまった影響でおにぎりが優勢。


「私はサンドイッチがいいです!」


とサンドイッチ派に勢いよく手を伸ばす小春


なるほど、少し手伝っているからアピールできるわけか………まぁいいけど。


私は小春を見ている。

なんとなく、おにぎりが優勢かな。


「うん。おにぎりでいいかな」


わあ~と盛り上がり、拍手が響いた。


こうして、作るものが決定。ノリで決めたけど1週間がんばるかな。


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