第2話 婚約!?

「ただいま〜」


俺は家に帰った。だがあるところに気づいた。知らない靴があったからだ。叔母さんが靴でも買ったかな?サイズがいつものより小さい気もするけど…


「おかえりなさいませソラ様。奥様がお待ちです。」


「え?義母様が?」


ナタリアとかには叔母さんって言ってるけどちゃんとした場所とか家では一応義母様と呼んでいる。そして俺はリビングに向かった。俺なにか悪いことでもした?


「お帰りなさい。待っていたわよ」


とても優しい笑顔で俺を見た。叔母さんって母さんに似てやっぱり美人だな〜。養子というか息子になって結構経つけど笑う顔を見ると叔父さんが惚れたのも分かる。叔父さんは叔母さんを見て一目惚れしたそうだ。俺の近くって一目惚れで結婚する人多くない?


「キミがソラくんね?初めましてウターラ•シャオ•カラータです」


「カラータって…!」


俺は自己紹介を忘れるほど驚愕した。カラータと言えば公爵でも地位が高く王族、つまりカリーさんの家族とも仲がいいと噂されている貴族だ。なんで侯爵のうちに?公爵なら分かるけど。


「あ、すいません!ご紹介が遅れました。ソラ•シャオ•イシャーラです」


流石に緊張する。礼儀を改めないとうちの地位が下がる可能性もある。大丈夫かな?


「うふふ。やっぱりいい子ね。どうぞ座って。」


ウターラさんはニコニコ笑いながら俺をソファに座らせてくれた。


「し、失礼します」


憂鬱な礼儀マナーだったがおばさんに感謝しなければ。


「今日ここにきた理由分かる?」


え?どういうこと?いや、知らないし、確かに何事だろうか?


「いえ、存じていません」


「実はね、あなたに嫁いでもらおうと思って」


「は?」


俺は戸惑った。この人は一体何を言っているのだろうと。確かに公爵と侯爵は近い位の貴族だけど絶対にカラータ家は公爵の人を婚約者にする、そう思い込んでいたし貴族の全員が思っていた。


「えっと…すいません。詳しく教えていただいても構わないでしょうか?」


するとウターラさんは微笑んで頷いてくれた。


「私ね、ハターエと長い付き合いであなたの知らないところで夫婦共々会っていたの」


え、衝撃なんですけど。叔母さんなんで教えてくれなかったの?ちなみにハターエは俺の叔父だ。


「それでね、あなたの話を聞くようになってからあなたのことが気になってハターエやカエーレさんに聞いたの。もちろんあなたの事情は知っているわ。でも、私の娘であって長女であるラターシャととても気が合いそうだったからハターエとカエーレさんにお願いしたの。それで今日来たのよ」


いや急展開すぎて頭が回らないわ。しかも長女って頭がとっても良くて国の重要な場所に就職できるかもとか言われてる人だよね?確か一歳上の


「この婚約はイシャーラ家にとってもソラ、あなたにとってもいい話だと思うわ。本当はこのような結婚じゃなくて本命の人に結婚して欲しいという気持ちもあったんだけどね。」


叔母さんは俺のことを一番に考えてくれている。とっても嬉しいことだ。でも流石に親孝行したいと思っていた。ちょうどいい機会かもしれない。


「その婚約受けさせていただきます。義母様、お、私もそろそろ婚約者を決めないといけないなとも思っていましたし、素敵な方を紹介してくださったんです。ありがとうございます。」


俺っていうところだったよ。あぶね〜


「うふふ。母親思いなのね〜」


ウターラさんはずっとニコニコだ。貴族って作り笑顔しないといけないことも多いけどウターラさんは今本当の笑顔だな。


「ウターラさんもありがとうございます。俺の立場を理解しながらお願いしてくれて。ですがよろしかったんですか?娘の…ラターシャ様の大事な婚約ですが…」


「大丈夫よ、あなたに言う前に婚約のことはラターシャに言ってあるし元々興味を持っていたのは私もだったけどラターシャの方だったのよ。それに変な色眼鏡で見る公爵の方より知り合いの方がいいですもの」


満面な笑顔で言ってるけど、ラターシャさんガチでそうだったの?いや、嬉しいけどさ。最後の方はまぁ納得するよ。そういう人ってどこにでもいるからね。地位を自慢げに話す人とかいるし。でも俺選んだの驚きだな。


「それは良かった。嬉しい限りです。本当にありがとうございます」


俺は立ってお礼をした。そういや考え事してた時顔大丈夫だったかな?たまに兄ちゃんに百面相してるけど大丈夫か?って言われるけど。お兄ちゃんとは2歳上の従兄弟だ。あと妹もいる。2歳下で思春期真っ定中だ。2人とも婚約者がもういるのであと俺だけだったからそれも1つの焦りの原因でもあった。


「じゃあ、今度うちに来て顔合わせってことで。兄妹は婚約パーティーかどこかで会いましょう。あ、後うちは公爵の中でも地位が高いからすごいニュースにすると思うわ。顔合わせの時にでも2人で写真撮りましょう」


「それはいいアイデアですわね!今後ともよろしくお願いいたします」


「こちらこそよろしくね!」


俺、入る隙間ないな。いいや別に婚約のことを口出すのはやだし、めんどくさいし。


「では、そろそろ帰るわね。ありがとう」


「いえ、こちらこそ。またよろしくお願いします」


俺はまた礼をし、玄関まで見送った。そして玄関が閉じた瞬間俺は脱力した。


「あぁ〜義母様このこと早く言ってよ」


俺は家族といる時、敬語が多いけどこういう時つまり少し怒ってる時はタメ語になる。


「ごめんなさいね。急に決まったことでね、ソラは良かったの?」


叔母さんは心配そうだ。


「婚約をお願いしたのは俺だし、パートナーも探さないといけない年になったからね」


「そう。ならいいんだけどね」


叔母さんは笑顔になった。


「顔合わせは1週間あるかないかだと思うわ。準備よろしくね」


「分かった。あ、義母様お願いがあって」


「何?」


「ナタリアとウラーにこのこと話していい?」


ナタリアとウラーには話しておきたい。2人とも婚約しているから婚約話を聞いておきたい。家族でもいいけど友人の方が話しやすいこともある。


「そうね。顔合わせの時にラターシャさんに聞きなさい。まぁ2人なら大丈夫だろうけど相手の家族に了承を得ないとね」


「うん分かった」


そして俺は顔合わせのために準備を続けた。

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