第404話 人間をやめてみよう(配点5点)

 屍食鬼が弱いって言ったの誰ぇ!!!

 ……サリアだわ。

 うん、悪いのはサリア。

 なにもかも全部サリアが悪い。

 サリアはあとで大王と一緒にオシオキするとして、今はラターニアの救助だ。


「ラターニアの戦艦クルーの救助を優先! 俺は屍食鬼シメてくる!!!」


「俺も行く」


 エディがついてきてくれる。


「へーい、俺たちも救助苦手だからそっちな~」


「イソノ俺も~」


 イソノ&中島コンビも来る模様。

 といっても俺たちも私兵を束ねる身。

 4人とその騎士団で20数体にもなる。


「旦那様、私も援護します!!!」


 あ、訂正。

 レンのところのワンワン騎士団も合流。

 30数体か。


「俺も俺も~」


「メリッサさん……お願いだから救助にまわって」


「え~」


 というわけで戦闘開始。

 ミッションは救助と邪魔する屍食鬼の排除である。

 救助してから後のこと考えればいいよね。

 太極国の人型戦闘機が接近してきた。


「レオ……人型戦闘機……じゃねえな」


 エディがそう言って拡大映像を送ってきた。

 人型戦闘機に絡みつく肉。

 それは最初の頃に戦った巨大屍食鬼と人型戦闘機が融合した姿だった。


「う、うっわあああああああああああ!」


 急に思い出した。

 寄生型のゾークと同じだ。

 勘弁してくれ。


「レ、レオ! 落ち着け!」


「二度と戦いたくないのが来たから思わず……」


 ゾークと同じだ。

 生命もてあそび系の敵である。

 イソノの野郎が心底呆れたような声を出す・


「いいからサクッと倒せ。レオなら難しくないだろ」


 中島の野郎も同意する。


「そうだよレオ! ゾークもプローンも滅ぼしたんだから!」


 酷い言われようである。


「へーい」


 寄生型ゾークが射程に入った。


「ビーム兵器が効果なかったら剣で戦う! 撃て!!!」


 なんて言ったけど、すでにゾークの外殻問題対策済みの兵器だ。

 まずはレンのスナイパーが機体の頭部をとらえた。

 先頭の敵人型戦闘機の頭がふっ飛んだ。

 人間がパイロットならカメラの切り替えが必要なはず……。

 って吹っ飛んだ頭からヌルヌルした触手が出てきた。


「勘弁してくれよ……」


 俺は嫌で嫌でしかたなかった。

 メリッサの実家で肉に追い回された思い出が蘇る。


「妖精さん……ボルトスロワー取りに戻っていい?」


「ダメです」


 うきいいいいいいいいい!!!

 ぬちゃぬちゃする敵キライなの!!!


「旦那様! デスブラスタースナイパー試します!」


 レンはそう言うとスナイパーの外部電源端子を自機と繋ぐ。

 次世代スナイパーライフルのプロトタイプモデルだ。

 専用機の胸についたデスブラスターを銃型デバイスで発射することによって飛躍的に命中率をアップさせる。

 さらには出力も威力そのままで小さくできる。

 無駄にでかい必要がないってわけである。

 あと名前をもうちょっと格好良くできれば満点だ。


「撃ちます」


 デスブラスターが発射される。

 頭が吹っ飛んだ人型戦闘機とそのすぐ近くにいた機体が爆発した。


「また威力過剰のようです」


 そりゃねー。

 だってもともとトンネル工事用のものだ。

 山をくり抜く威力がある。

 そこからさらに軍用にカスタマイズ。

 戦艦型ゾークくらいまでなら当たれば倒せる兵器なのだ。

 適切な威力にまで出力落として連射できた方がいい。

 なおここまで威力がある根本のところの原理は不明。

 完全にロストテクノロジーである。

 再現できるけどなんで動いてるかわからない。

 俺たちの身の回りの道具はそういうのがかなり存在する。


「レオ! 戦闘機がやって来る!」


 人型じゃない戦闘機が群れでやってきた。

 最高速度は向こうの方が上。

 急旋回などの運動性能はこっちの方が上かな。


「殿、自動追尾機雷発射します!」


 レイブンくんから通信が入る。

 はっはっは!

 我がカミシロ本家騎士団の恐ろしさを……って自慢したところだけど、マニュアルどおりの戦術だ。

 だからまずはシーユンと通信。


「シーユン! 見てる?」


「はい!」


「よく見て。戦闘機は最高速度は速いけど運動性能が悪い。基本的に高速で接近しつつミサイルを撃つのが役目だ。だから戦闘機を発見したら自動追尾機雷で動きを封じる」


「は、はい! しかし准将、相手はミサイルを撃ってくるのでは!?」


「そこは問題なし。ミサイルはよく見て~、近くまで来たら加速する。そしたら追尾性能落ちるから……そこを避ける!」


 ほいっ!


「……あの兄様?」


 シーユンはお兄ちゃんにヘルプを求めた。


「人間業ではないかと」


 とうとうシーユンにまで化け物扱いされる俺たち。


「避けられなければ……シールド!」


 折りたたみ式のシールドを出す。


「ただ受けると爆発に巻き込まれるから~前に出て~、ほいッ!!!」


 ミサイルが加速する直前、間合いを詰めて盾でぶん殴る。

 衝撃でミサイルは方向を見失いそのまま爆発した。


「一発一発ならこれでいいんだけど、問題は~」


 ミサイルが途中で割れ、数十発もの拡散小型ミサイルが俺に向かってくる。


「こういうのは! 盾を前に構えて! 突撃!!!」


 まずは真正面のを受け止める。

 ミサイルが爆発した。


「そしたらここでバーニア止めて! ミサイルの爆風使って急転回!」


 流れに逆らわずに爆風で飛ばされる。

 するとミサイルの残りがやってくる。


「ギリギリまで待って……ここ!!!」


 一気にバーニア最大。

 ミサイルをすり抜ける。

 ミサイルは俺を見失い爆発した。


「と、まあ、こんな感じだ。タチアナ! あとで練習するからな!」


 シーユンと一緒に見てるタチアナにも言っておく。


「できる気しねえよ!!!」


 あら反抗的。


「レッスン2、敵の対処。ミサイルの避け方はこのようにシンプルだけど」


「シンプルって言葉を辞書で調べやがれ」


 タチアナちゃんが反抗期だわ。


「……とにかくミサイル撃ってくる敵を攻撃しないといけません。だからミサイルを避けつつ……」


 ミサイルを避けながらライフルを構えて。


「ここ!!!」


 はい撃墜。


「ねえ、人間やめてね?」


「別に当たらなくてもいいんだって。攻撃さえしてれば牽制になるんだからよ。ほら」


 レンの部下たちが一斉射撃。

 生まれながらの狩人たちが戦闘機を次々落としていく。


「これができるようになった要因は?」


 問いを投げかけるとシーユンが答える。


「そうか! 機雷を設置したからルートが絞られた……」


「そういうこと。仲間の様子も必ず確認すること。あとでシミュレーターで復習してもらうからな~」


 俺たちは戦闘機を次々落としていく。

 そして黄龍型の戦艦が見えてきた。

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