第24話
「はぁー……どうすりゃいいんだ……」
俺は職員室の椅子の上で頭を抱えた。まさかこんな展開になるとは夢にも思わなかったのだ。成海と誉という、性転換した生徒と関係を持ってしまったのが教師として問題になるだけでなく、今度は性転換適応者のペットになれと言われるとは……
だがしかし、このまま教師をクビになるのは困る。大変だがやりがいもあるこの仕事を、俺はそれなりに気に入っていた。
「うーめちゃん!大丈夫?顔ヤバいけど…」
「成海、先生に対して馴れ馴れしいぞ」
成海と、誉が遊びに来てくれたが、落ち込でる俺の顔を見るなり心配そうに声をかけてきた。
「どしたの?梅ちゃん」
「……なんでもない。それよりお前らこそ学校サボっていいのか?」
俺が問うと2人は顔を見合わせるとニヤッと笑った。そして誉が言った。
「今日は午後の授業は自習なんです。僕は課題が終わりましたので」
「そうそう!ね、梅ちゃん元気なさそーだから、慰めに来てやったってワケ♡」
「…成海は終わってないだろう」
ジト目で睨みつける誉を無視して成海はぎゅっと抱きついてくる。
「梅ちゃん元気出して?卒業したら一緒に暮らそ?」
「ちょ!何さりげなくふざけたこと!そんなの僕が許しませんから!」
職員室なのに俺を巡って美少女達が言い争っている光景に、周りの先生方がなんだなんだと集まってくる。俺は慌てて成海を引き剥がすとこう言った。
「分かった!元気出たからとりあえずお前らは授業に戻ってくれ!」
「ふふ…そうですよ?2人とも、いい子だから教室に戻りなさい?」
「………」
「………」
「??」
長月先生の登場に、成海も誉も怖い顔を浮かべて睨みつけている。なんだが温度が下がったような気がするし、火花みたいなのが見えるような気がする。
「と、とりあえず!また今度勉強個別で見てやるから、2人とも戻れ!」
そう言って半ば無理矢理追い出した。
「ふぅ……助かった」
そう呟くと長月先生が近づいてきた。
「梅沢先生、生徒に慕われてますね」
「いや、あれは慕われていると言うかその…」
ゴニョゴニョ口ごもる俺に、長月先生はふっと微笑むと小さな声で囁いた。
「でも、手を出すならそれなりの覚悟をしないと、ね?」
「!!」
はっ、と顔を上げた。やはり要先生に情報を流したのは、長月先生だったのか。
「私、結構嫉妬深いタイプだったみたいです」
「は、はぁ……」
「梅沢先生、私を選んでください。そしたら私が守ってあげまから」
そう言って長月先生は俺の手を握ってくる。その柔らかい感触にドキッとした。そしてそのまま引き寄せられると耳元で囁かれた。
「だから、早く堕ちてきてくださいね?」
それだけ言うと長月先生は離れていったが、俺はしばらく動けなかった。
***
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