《蒼天の王国戦記〜追放王は水の力で世界を変える〜》
MKT
プロローグ:無能貴族、砂漠に飛ばされる
「アルト・フォン・リヴィエール、お前に与えられる領地は王国最果ての《バルハ砂漠》だ。そして、この王都への帰還を禁ずる」
王城の広間に響き渡る国王の冷たい声。それはまるで余計なゴミを片付けるかのような宣告だった。
「……は?」
アルトは一瞬、自分の耳を疑った。しかし、周囲の貴族たちは当然だと言わんばかりに嘲笑し、鼻で笑っている。
「当然の処遇だな。戦闘スキルのない貴族など、ただの役立たずだ」
「水を操作するスキル? ぷっ……そんなもの何の役に立つ? 水魔法ですらないなんて、無能にも程がある」
そんな罵声が次々と飛んでくる。
アルトが授かったスキル——《水操作》は、水を綺麗にすることしかできないとされ、戦場での役には立たないと判断されていた。貴族社会は力こそ全て。戦闘スキルがなければ、領地を守ることもできないというのがこの国の常識だった。
「……異議申し立ては?」
「ない」
言い切った国王の瞳には、一片の情すらない。
アルトは苦笑しながら肩をすくめた。もともと期待はしていなかったが、ここまで露骨に切り捨てられるとは思っていなかった。
(まぁ、こんな国に未練もないし、ちょうどいいか……)
与えられた領地——バルハ砂漠。そこはまともな水源すらない、ほぼ死の大地と化した辺境だった。貴族としての体裁は保たれるものの、実質的には追放と同義。だが、アルトはこれを「新しい人生の始まり」と考えることにした。
「ふふ……面白くなってきたじゃないか」
王城を後にする彼の瞳は、絶望ではなく好奇心と闘志に燃えていた。
こうして、「無能」とされた男の新たな人生が始まる——。
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