9話 彼らの日常のはじまり
千聡と裕翔と恵は、光に頼まれた通り投函物をポストへ入れ、その足で大学へ向かった。
「それにしても、ホントーに後味の悪い案件過ぎて投函できて精々したね〜」
「ちぃちゃんあまり大きな声で言わないの」
千聡にメッ!と言えるのは恵しかいない。恵だけは、千聡の手中にはどう足掻いても収まらない。それほど、千聡が恵のことを慕っており言動から大好きー!が伝わってくるからである。
「でもさ!コレが終わったってことは、暫くはゆっくりできそうじゃない?」
「確かにね〜裕翔の言う通りかも、てかそうであれ」
恵の言葉を皮切りに、まぁ、無い方が平和だしね〜なんていう会話を繰り広げながら3人は大学へ向かった。
***
恵に投函物を渡したその足で、寒い廊下を歩きながら1人部屋に帰ると1つの鍵を手に握りながら目的の部屋に足を向けた。
長い廊下を抜けると、中庭がありそこにポツンと1つの蔵が見える。光は、その蔵に辿り着くと手にしていた鍵を鍵穴に入れその蔵の扉を開けた。この蔵は、古い蔵であるため中々のオンボロ小屋でもあるが、まぁまぁ広いため各々部屋にあると邪魔だけど、無いと困るものを保管する場所として使用している。光は、自身の物を保管できる場所として与えられた棚を目指した。
「この蔵、誰も掃除しないから埃がすげ〜な(ゴホ」
「蔵という名のオンボロ蔵だよなぁ、なんとかしにきゃって思ってばっか(苦笑)」
など、蔵に対する愚痴を口にしながら目的の棚に到着した光は、ある1つの薄いアルバムのような大きさのようなモノを手にしながら目を瞑った。そして、意を決する思いでその手にあるモノを開こうとした。しかし……
『ーーコレはXXXXXXXXXに開きなさい。ーーー』
光の頭の中に靄がかかって残像のような映像が流れた……。フラッシュバックしたという表現が正しいのか……。この言葉が脳裏に焼き付き、手にある薄いモノを開くことに躊躇した…。
先程の声の主は何だったのか……。
「なんなんだよ……、あの残像みたいな映像……
コレも、毎回開こうとするとこうなるから、後味ワリィんだよな……」
「また今回も開けないのかよ……よぇ〜な自分……。」
自分への自虐を言いながら、中身がわからないのに本能的に【コレは、大切にしなければ行けないモノ】であると感じ取っているからなのか、雑には扱えず結局いつものように、そのアルバムのようなモノに埃が被らないように自分の保管場所である部分の棚の掃除を行うことにした。
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