第39話 現在位置の確認


吹雪さん達とコラボした翌週。コラボのお陰で同接数が増えると予想される為、自己紹介とそろそろ走りを再開するためのリハビリも兼ねて、以前やった周回+質問コーナーをする事にした。


大和さんにジェスチャーを送って配信を開始する。


「こんにちは。今日の配信は、先週のコラボからこっちに見に来た人たちのために、自己紹介と、質問コーナーを作ります。最初にパッと簡単に自己紹介とステータスを見せて、その後は周回をしながら一周毎に一回、質問に答えていく予定です。」


:かしこまってんな

:先週となんか雰囲気違うな?


挨拶をして一瞬大和さんに目配せをすると、二百という数字が指文字で返ってきた。


予想以上に来ている事に目を見開きながら、そのまま自己紹介を始めた。


「俺の名前は小鳥遊裕司、本名だ。俺が普段メインで走ってるこのダンジョンは、自宅の庭にある。3ヶ月以上前にここを見つけて、中に入ってみるついでに配信をしてみようと思ったんだ。そして、俺の今のステータスはこんな感じだ。」




小鳥遊裕司 Lv126

スキル

経験値増加極大

魔物特効極大

魔力錬成

錬金Ⅰ

身体強化極大


称号

攻略者(1)

従術師


従魔

ティーダ:ナイトキャット


装備

移動速度アップのシューズ

攻撃力アップのグローブ


:レベル高っ

:↑こんなもんじゃないのか?

:吹雪ちゃんは、自己申告で正確には分からないけどまだ80代のはずだぞ

:経験値増加極大が悪さしてんな?


最後に確認した時と比べると、レベルは95から126へ。スキルは身体強化が大から極大へ変化していた。

視聴者達は、俺のレベリングの成果に驚いているのか、コメント芸を多用してコミュニケーションを図っている。


元からいる視聴者達と新しく来た人たちが仲良く出来ているようで満足だ。


「みんな俺のレベルに驚いてるみたいだけど、あれだぞ。放課後だったり、配信してない間とかでも暇つぶしに周回してレベリングしているから、このくらいが妥当だと思うけどな。」


:さっきも思ったけど周回ってなんだ?いや、周回が何かは分かるんだけどできるもんなの?

:吹雪ちゃんが大体1時間強でクリアしてるっけ?

:↑遅すぎない?

:コラボする1ヶ月以上前から周回を配信してたから、それ見たらいいゾ

:↑そんなにやってるのなら、このくらいのレベルになるのか?

:さっきも言ったけど経験値増加極大が悪さしてるだろこれ

:それだけじゃ説明つかない。何か仕掛けがあるはずだ



しばらく放置すると、コメントの勢いも落ち着いて来たので、予定より時間が経ってしまったが周回を始めた。


「タイマースタートだ」


その言葉と同時に、俺は駆け出した。

走り方は以前と変わっていないので、とにかく敵をスルーして次のフロアへどんどん進んでく。


道中、敵が複数いるフロアでは、敵の行動によってそれに対応しながら迂回したりして通るので、かなりロスしている気がする。


十一フロアまで気を抜かずに走り切って、十二フロアに入った瞬間にタイマーを止めた。


:はやいはやいはやい

:カップラーメン作る暇もなかった

:なにこれ?もう人間卒業してるでしょ


記録は2分35秒だった。さっきも言ったように、敵の行動をなんとかして固定し、迂回せずに済むよう完璧なチャートを組めるようになれば、1分以内にまで縮められるはずだ。


今度手に入れる予定のブレスレットがそれの手助けをしてくれることを祈りながら、俺は視聴者達に問いかけた。


「一周終わったから質問を募集するぞ。適当に拾うからコメント投下していってくれ」


俺の一言をきっかけに、コメントが大量に流れてきた。




◆◇◆◇◆◇

質問ダイジェスト

身長は?-155だよチビですまんかったな!

年齢は?-16で高一

女の子のタイプは?-包容力があって優しい人

友達いる?-お前らと違っている






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