第6話 読書タイム(?) 

バンッ ガラガラガラ サッ ペラペラペラ

すぐさま本を開いて読み始める。


美優もそれをのぞき込む。


『ぬいぐるみに起きた奇跡 著者:水鳥夢みなとりゆめ 絵:斎藤加恋さいとうかれん


二人とも、女性かな?


『この本を読む前に

皆様、この本を開いたということはぬいぐるみや、オカルトに興味がある方だと思います。今回、本を開いていただき、とてもうれしいです__』


前書きって、だるいよね。ちょっと、とばそ。


『ある日、私が小さいころにもらったぬいぐるみをそろそろ捨てようかと思って押し入れから出したとき。その奇跡は起きました。』


ごっくん。


『捨てる袋に入れようとしたら、ひゅんっとぬいぐるみが飛び出したのです。まるで、意識があって飛び出したようです。まるで、ぬいぐるみが生きていたようで。とてもびっくりしました。』


うおお。やった奇跡が起きたか。


『それで、怖くなって捨てるのをやめました。ぬいぐるみには、優しくしてあげたいと思います。なぜ、このようなことが起きたのでしょう。ずっと、不思議でたまりませんでした。』


美優がうんうんとうなずく。ちょっと美優~~。


『ぬいぐるみには、意識がある、いや、心があるんです。でも、これはこのぬいぐるみ、ネネだけだったようです。ほかのぬいぐるみは素直に袋に入ってくれました。魂を持ってたのはネネだけなようです。』


ネネ!?ふうん。


『ほかのぬいぐるみは、ミク、チコとか。』


ん、ネネ?同じ字が二連続って、僕と一緒じゃないか。


『あることに気づきました。同じ字が二連続の名前なのでした。』


やっぱり!


『これが、魂のあるぬいぐるみの共通点なのでしょう。』


僕はここで読むのをやめた。美優もすくりと立つ。

「美優!」

「今探してる!」

美優はおばあちゃんがくれた黒電話をとる。

「もしもし、彩希さきちゃん!?茶々にあわせてくれない!?」

茶々というぬいぐるみといるのは、三歳上のいとこ、前村彩希まえむらさき

『いいよー。今、行くねぇ。』

優しい、彩希ちゃん!

そして五分後、来た。はやっ。

「はいっ、茶々だよ~。大きくなったね、美優ちゃん」

「ありがと~。ココ!」

僕がそっと茶々に向けて手を上げる。

すると、茶々の口が一瞬開いたように見えた。

「えっ……」

そんな声が茶々の口からもれた。


やった!やっぱりそうなんだ!!!

やった~~~!!~!~!~!~!~!

ハーすごいめっちゃ嬉しい。


「彩希さん」

僕が話すと彩希ちゃんは「ひゃあっ!?」と言って驚く。

「な、なにこれAI人形なの?」

「僕は、ココです。自分の意識で動けるんです」

「えっ、えっ、えーー……」

彩希ちゃんは上をむいてボーっとしてる。

「あの。茶々にも、魂があると思うんです。茶々、夜になってきたよ。動けそうなら動いてくれる?綿あげるからさ!」

僕がそう話すと、茶々の足が上に上がった。

そして、ゆっくりと立ち上がった。

僕はもう抱き着かんばかりに言った!

「茶々!!!!!」

「コ、ココさん……?あなたも動けるの?」

「そーだよっ!!!!!!!さんつけないでいいよ同志だね、茶々」

「ココ……!やった、私もうれしい♪」

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