第47話 ワッツ・ビューティー・オブ・ランゲージ?
私の発育論を、聴いて、聴いて! 私は、終わらない音楽を夢想しながら、それでいて、旧びた言語論について、思考を巡らせていた。生きているって不思議ね! 生きているって、光ね! 私は一生たりとも死にたくない。私は、一生たりとも、死にたく、ない!
私は、生きながらにして不可思議な“芸当”をする。それは掌を合わせて、沈思黙考することに近くて、歴史の中に、沈んでいくことに近い遊びだ! 私は、新しい真剣さというものを、探しているんだ。
私の発育論を、聴いて、聴いてよ! 私は、受精以来一度も、死んだことが、ないんです。(プログラム細胞死はひそやかに行われて)私は、一度も死なないというイリュージョンを! 行って! いるんです!
大丈夫です。ここにはちゃんと、お茶も花輪も、ありますから。大丈夫です、歌も、歌って、あげますから。大丈夫です、全て、穏やかな運命ですから。私は、私の宿業どおり、しっかりと成育していくひとつの命です。
分かりますか!? 分からなくてもいいんです! 分からなくても、あなたは今日もねむることができます。豊かな夢を、見ることができるんです。分かりますか。分かってもらはないと困るんです!
私の日々を、確かなものとするために、桜は千変万化して咲く。私の生を、確かなものとするために、桜は千変万化して咲く。私の日々は素敵ね、私の生は素敵ね……! 私は、そうか、死なないんだ、一生!
私の発育論を、聴いて、聴いてよ! 私は終わらない音楽を、夢想している。それでいて、旧びた言語論について批判的検討を、加えようとしている。リューメイさん! 言語にとってビューティーって何だろうね? 私は、本当に知りたい。私がこれから、どんな『ことばの化けもの』になるのか。分かるかな、分かってもらわなきゃ、困ってしまうんだよ。ねえ、聴いて、聴いて下さい。リューメイさん。ひとつの言葉を、私の言語哲学を、ただひとつの詩学を。終わらない海原を。私の発育論について、ただひたすらに。もう声もないくらいに。
参考:
小林秀雄『おふえりあ遺文』
吉本隆明『言語にとって美とはなにか』
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