39. ディアマイおっぱい
放課後、校内の廊下。
「あら、あなたでちょうどいいわね。かぷっ」
んなっ!?
下校しようとしたところ、クラスメイトのちびっ子お嬢様——タテロルに呼び止められた。
かと思いきや、そのまま首筋を甘噛みされる。
「うぉう、なんだ!?」
噛まれた瞬間、身体がゾクゾクする。
「くすくすくす。わたくしも成長していますの!
甘噛みでも、状態異常を付与できるようになりましたわ〜!」
「勝手に付与するな!」
「前はスキルを暴走させてしまいましたが……
今回はコントロールできているので、問題ありませんわ!」
「何の状態異常だよ! 前と同じやつか?」
以前このタテロルに、なぜかお嬢様口調になってしまう状態異常を付与されたことがある。
「どうなるかは、お楽しみですわ!
それでは、御機嫌よう。また明日!」
ちびっ子令嬢は去っていった……。
◆ ◆ ◆
翌朝の教室。
「オパっち、絶対自分で揉んだっしょ? あーし、わかっちゃった!」
「揉んでいませんわ!」
「わたしには嘘が見抜ける……」
「スミレ様もやめてくださいまし!」
俺は、見事に状態異常にかかり、お嬢様口調になっていた。
——だけではなく、体が女性になっていた。
「ごきげんよう、皆様。
あっ……!!
あらあらあら!
わたくしのパワーアップした状態異常、
ちゃんと成功していたのですね」
「やっぱりタテロル様、あなたの仕業ですの!?」
「くすくすくす!
ちゃんとコントロールできているので、
他の人にむやみに感染させたりしていないでしょう?」
「はやく元に戻してくださいですわ〜!」
「くすくすくす。時間が経てば、もどりますわぁ。
今はその可憐なお嬢様ボディを堪能してくださいま……し……?」
タテロルの言葉がつまる。どうした?
「なんでですの!?
あなた、元・男性のくせに、なんでそんなサイズ……」
あ、その視線——おっぱいのことか。
俺のパーティの中では一番小さいぞ。並サイズだ。
ただ、タテロルが平たすぎるだけなんだ。言わないけど。
「これからは、オパールのことをオパーイちゃんって呼んだ方がいいかな?」
「エレイン様、やめてくださいまし」
「で、自分で揉んだっしょ?」
「レモン様もしつこいですわ」
《ぴー! 自分のおっぱいを揉んでもレベルアップしませんでした》
「ぐぬぬ……アナウン子様! 過去形で話してはいけませんわ」
みんなが、「やっぱり」と言った目で俺を見る。
「だ、大丈夫だよオパーイちゃん!
普通の女の子もみんなやっていることだよ!」
エレインが謎フォローをする。
「な、なんてことだ……!
新たな女性がクラスに増えているとは!
また一人、ボクの虜になってしまうのだよ!」
アホなことを言いながら褐色イケメンが教室に入って来た。
「ボクは生徒会長にして、理事長の孫にして、
財閥御曹司のハナマール。きみはオパーイさんというのかい?
素敵な名前だよ」
まったく素敵じゃないだろ! 適当言うな!
「きみはボクのことを知りたいと思っているのだろう?
ボクもきみのことが知りたいのだよ。
放課後、ふたりきりで語り合わないかい?」
顔が近い! こええ! なんでこいつがモテてるんだ?
あと、全然おまえのことを知りたいとは思っていない。
強いて言えば、どうしてそんな性格に育ってしまったのかを知りたいよ!
「ぐへへ……ハナマールよ、抜け駆けはいけねえぜ」
あ、またやっかいな筋肉が教室に入って来た。
「む、ノーキンくん!
きみにオパーイさんの何がわかるというのだ?」
「そのかわい子ちゃん、オパーイちゃんって名前なのか!
ぐへへ、いい名前じゃねえか」
よかったな、エレイン。
おまえの考えた名前、このお二人に大好評だぞ。
名付けられた本人には不評だけどな!
「ルーコ、何とかしてくれ!」
「わたしにできることはないわ」
ルーコは自分の席へと戻っていく。
「わたしなら、治癒系のスキルでなんとか治せるかもしれない」
「まってスミレっち! 面白いからまだ治さない方がいいよ!」
「おいレモン様! 余計なことを言わないでくださいまし!」
「わたしは、今日初めてあったオパーイさんより、
以前から仲間のレモンさんを信じて治さない」
うおおおい! スミレ!
本当はおまえも面白いと思い直しただけだろ!
笑いを堪えているのが見え見えだぞ?
——キーンコーンカーンコーンコーン
授業が始まってしまった。
早く元に戻ってくれ!
◆ ◆ ◆
一時間目が終了したが、戻る気配はない。
やばい、三時間目は体育の授業だ。
こんな姿で運動なんかしたくないぞ?
なんとか二時間目で元に戻ってくれ!
「オパーイさんの席はここだったのだね。可憐な席だ!」
可憐な席ってなんだよ!? ハナマール、意味わかんねえぞ?
「ぐへへ……オパーイちゃん、俺様——ぼくとデートをしませんか?」
ノーキン、おまえは女の前で性格が変わるタイプだったのか……?
「あのさぁ、ですわ……」
おまえら! ここはオパールの——俺 の 席 ! だろ!
俺がいないことに気がついていないのか?
「こうなったら……」
——かぷり。かぷり。
ハナマールとノーキンの首筋を甘噛みしてやった。
これで感染するかな?
「オウ!? なんて大胆なレディーなんだい」
「おほぅ!? 辛抱たまらんぜ」
アホ男二人を尻目に、とりあえず休み時間はトイレに逃げ込むことにした。
「うわあ!?
なんで男子トイレに女の子がいるんでやんす!?」
そうだった、今の俺、女の子の姿だ!
たまたま居合わせた男子生徒を驚かせてしまった。
ごめんな。
——キーンコーンカーンコーンコーン
「ふう、どうやら効果は切れたようだな」
次の授業中、気がつくといつの間にか元の姿に戻っていた。
なんとか体育の授業開始までに元に戻れたな。
「おい、オパール! なんでてめえがここに座っていやがる!?」
「きみ、オパーイさんをどこへやったのだい?」
こいつら!
め、めんどくせえ!
◆ ◆ ◆
翌日、登校して教室に入ると、さらに面倒くさいことになっていた。
「オパール! あなたの仕業ですの!?」
「わたくし様の純情を弄びやがりまして!」
謎の褐色令嬢と、謎のワイルド系令嬢が俺に詰め寄る。
だ、誰?
「ボたくし、この姿になって気がつきましたわ。
ああ、昨日のはオパール様のせいだったのだと」
「わたくし様たち、戻りたいですわぁ!」
なんだ? 何を言っているんだこの女の子たちは?
「くすくすくす! 二次感染力はあるみたいね」
タテロルが意味ありげに笑う。
「さあ、オパール様! わたくしたちを元に戻しなさいですわ!」
二人の令嬢が俺に胸を突き出す。
俺にどうしろというんだ!?
揉むのか? おっぱい揉めば解決するのか?
今までみたいに!
「今までも、意味わからない状況でもおっぱいを揉んだら
なぜか解決したことが何回もあったしな……?」
って、いやいやいや、いくらなんでもそれはないだろ。
今日初めて会った女の子のおっぱいを揉むなんて。
初めてじゃなくても許されるわけがない。
「俺は、きみたちのおっぱいを揉まないよ」
真摯に伝えた。
わかってくれ……るよな?
「はあ? オパール様、急に何をおっしゃっているのですわ?」
「ぐへほほほ……そういうことでしたの!
わたくし様、わかりましたわ!」
「なんですって? ボたくしにもお教えなさいな?」
「わたくし様たちは、オパール様によって姿を変えられた。
そして今日、急にわたくし様たちのおっぱいを揉まないと言い始めた」
目の前で褐色令嬢とワイルド令嬢が推理し始めた。
俺のことについて推理しているようだが、今のところ何も合っていない……というか、意味がわからないぞ?
「つまり、オパール様はボたくしたちを元に戻したくないから、おっぱいを揉まないと言ったのですわ!
逆説的に考えれば、おっぱいを揉まれれば元に戻る!」
「Q.E.D! さあ、わたくし様たちのおっぱいを揉むのですわ!」
「揉まれるまで、ここを動きませんわぁ!」
よくわからないが面倒なことになった。
この令嬢たちの素性はわからないが、そっちがその気ならやってやるぜ!
俺は両手を伸ばし、服の上から二人のおっぱいを鷲掴みにした。
「きゃあ!?」
「ひゃん!?」
——もみもみもみ。
「やった! 二人同時にいった! あーしの勝ちっしょ!」
「え〜。あたしは生でいくと思ったのにな。残念」
「わたしは二人交互に順番におっぱい揉むと思ったけど」
「わたしもそれに賭けていたわ」
おおい、あいつら!
俺が謎の令嬢のおっぱいを揉むかどうかで賭けてやがったな!
というか、誰も『揉まない』に賭けていなかったのかよ!
——もみもみもみ。
まあ、実際はこのとおり揉んでしまっていますがね。
「こ、これが揉まれる気持ち……初めての体験ですわぁ〜!」
「わたくし様は実はオパール様に揉まれるの2回目ですわ〜!」
2回目?
このワイルド令嬢とは初対面だと思ったが?
それに、おっぱいの感触——揉み心地に覚えがない。
「それにしても、ちっとも元に戻りませんわね?」
「くすくすくす、当然じゃない?
だって時間が経てば元に戻るのに、おっぱい揉まれるとか関係ないのに!
タテロルおっかしぃ〜!」
「な、なんですって!?」
はあ!?
なんのことかよくわからないが、俺がおっぱい揉む必要なかったってことか?
うう、無駄におっぱいを触ってしまったのか。
俺は令嬢たちのおっぱいから手を離した。
《ぴー! 合計12回、モミモミを確認しました。
うーん……これはどうしましょう??
サンプル数2、うーん……解析できるまで、今回は保留で!》
「アナウン子! 保留ってなんだよ!?」
《基本、男のおっぱいはNG、ノーカウントなのです。
しかし、今回は体は一応女性ですしねぇ……》
ん? 男?
いやどう考えてもこの二人のおっぱいは女性のものだったぞ?
んん?
そういえば、「元に戻る」がどうのこうのって話だったよな?
元……?
ま、まさか、この二人って!?
昨日のことを思い出す。
そ、そうか! そういうことだったのか!
う、うわああああああああぁぁぁ!
ノーキンとハナマールの雄っぱいを揉んでしまった!
おええええええ!!!!
元・男とか、先に言ってくれよ! とほほ!
————
次回、おっぱい揉んだらレベルダウン?
お楽しもみに!
————
今回の内容や、TSついて、感想を書いてね!
高評価もよろしく!
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