24. 運どおぱい準備

「あーし、わかっちゃった! 『騎馬戦で相手の鉢巻を取ろうとしたら、間違っておっぱい揉んじゃった』〜とかっしょ!」

「ちょ、おまえは俺をなんだと思っているんだ?」


 レモンがいたずらっぽく笑う。

 放課後の教室。

 来週行われる体育祭の話題で俺たちは盛り上がっていた。


「わたしも見えたわ。

 玉入れの玉をつかんだと思ったら、『おっぱいだった』」

「ルーコまで何言ってんの!?」


「我も一つ考えたぞ!

 『綱引きの綱だと思ったら、間違っておっぱい引っ張っちゃった』

 ——って、どやどや?」

「アホ!

 どうやったらそんな間違えかたするんだよ!」


 体育祭の出場項目を相談する予定が、なぜか体育祭の最中に俺がどういうシチュエーションでおっぱいを揉むかという話になっていた。


「だってオパール、毎回なんだかんだで学校行事の度に誰かのおっぱい揉んでいるっぽいじゃん」

「ぐぬぬ……それはだいたいが事故とかだ」

「不自然すぎ。

 普通の人は、事故でおっぱいを揉むことなんて一生に一回すらないと思う」


 スミレが正論を言う。

 何も言い返せない。

 しかも学校行事だけでなく、その合間にも割と揉んでいるとかも。



 ◆ ◆ ◆



 そんなわけで、グラウンドにて各競技の練習を行う。


「ぐへへ……重たい道具は俺様に任せやがれ!」


 ノーキンが自慢の筋力を活かして、体育用具倉庫から道具を抱えて運び出しているな。

 さすがAランクスキル、役に立つ。

 おっと、ここで俺のスキルを思い浮かべるのは、やめておこう。

 悲しくなるから……。


「あたいも次の競技の道具を運ぶっす!」


 体操服の似合う茶髪の少女は、アキ。

 そういえばハロウィンのときもジャージ着てたよな、あいつ。

 部分的に大きいが、基本スレンダーだし、たぶんスポーツ少女とかいったところだろう。

 いつも日焼けしているし、そうに違いない。


「おおい、オパールくん!

 きみもぼーっとしていないで、設営を手伝うのだよ!」


 やっべ、仕切り屋のハナマールに見つかった。

 仕方がない、まだ運んでいない道具でも運んでおくか。


 体育用具倉庫に入ると……綱引きのロープが乱雑に置かれ、残されていた。

 これでも持っていってやるか。


「おおい、オパールくん! 早くしたまえー!」

「わかっているよ! 今、道具を持って行く!」


 返事をしながら、ロープをつかむ。


——むにっ


 え、ちょっと待て。

 この右手の感触はまさか?


 倉庫の外に向かって返事をしながら、ロープをつかんだつもりだったのだが。


——むにむに


 やっぱりこれって、あのパターンだよな……。


「ま、またっすか……」


 ほら、このひさびさの感触は覚えがある。

 アキのおっぱいだ。

 声もアキだし。


「す、すまん。わざとじゃないんだ」


 恐る恐る、つかんだ手の方を見ると、なぜかロープに絡まって転がっているアキがいた。


「わざとじゃないのに、3回目っすよね?

 もしかしてオパールくん、あたいのことを……」


 さ、3回くらいなら、他の子もそのくらいの回数はおっぱいを揉んでいるから、普通の回数なんだ!

 なんて言い訳できるはずもないので黙っておく。


——むにむに


 しまった! 黙って返答代わりに揉んでしまった!?


「くぅ……」


 アキが逃れようとみじろぎをしたため、ロープが俺の腕にも絡まってしまった。


「あ、アキ! ロープが絡まって、右手が離せない!」

「ちょ、困るっすよ!」


 ジタバタと暴れるアキ。


「あぶっ、あぶないって!

 バランスが! ぐわっ」


——むにょり!


 バランスを崩し、アキの上におおいかぶさるように倒れ込んでしまう。

 そしてその感触から分かる通り、右手だけでなく左手もおっぱいを揉んでしまい、ついでに顔もおっぱいの間に着陸した。


「オパールくんさぁ……さすがに遠慮なくやりすぎっすよ」

「す、すぐにどくから! あれ? か、体が!?

 ロープが全身に絡まって」

「そ、そこで喋られるとくすぐったい!」


——ゴロッ


 今度はアキが上になった。く、苦しい!

 おっぱいで窒息しないように、顔の位置を少しずらす。


「アキ、どいてくれ……」

「ごめん、絡まって動けないっす」

「助けがくることを待つしかないか?」

「ダメっす! こんなところ、見られたくないっす!!」


 どうしたら……ん?

 そういえばいつものアナウンスないな?


「おい、アナウン子!」

「ええ!? うん……こ?

 もしかしてオパールくん、この状況でトイレに行きたいんすか!?」


《ぴー! どうしましたか、マスター》


「もしかして、まだおっぱいに顔を挟んだままだから、今って揉んでいる最中という扱いなのか?」


《わかっているじゃないですか!

 その通りです。揉み終わったらアナウンスしますね》


 ということか。

 ただ、アナウンスがないだけで、俺のすばやさが徐々にレベルアップしていることは感じ取れている。

 ……ロープに絡まっている状態ですばやさが上がっても全然意味ないけどな。


「うぅ、おっぱい触られちゃっただけじゃなくて、顔まで挟んじゃうなんて……」


 元気娘アキのちょっとしおれた声が聞こえる。

 ごめんな。でも俺も泣きそう。早く離れたい……。

 俺の顔はおっぱいに挟まれていて見ることはできないが、アキはおそらく照れているか、もしくはいつかのレモンみたいに涙目になっているのかもしれない。


「こんなの恥ずかしすぎるっす」


 アキ、まだ服の上からだからマシだぞ。

 他の子たちなんて、なまでおっぱいを——


「な、なんだ!?」


 俺がなまおっぱいを意識した瞬間。


「えっ!? やだ、なにっすか!?」


 アキの服とロープが不自然に。勝手に。自動的に。捲り上げられ、いったん俺の顔はおっぱいから脱出する。

 そしてブラが不自然にずれて、なまおっぱいが露わになる。

 アキの日焼けした顔や手足の肌と対照的な、おっぱいの白さが目立つ。

 そしてそのまま、俺の手のひらに押し付けるように、アキが前身してきた。


「えっええええ!?」

「ええーっ!?」


——むにむに


 これは、アキのなまおっぱいモミモミ!?

 しまった、一応揉んで確認してしまった。


「ご、ごめん!

 これもわざとじゃないんだ!」


 いや、この言い訳が通るのか!?


「あ、あたいも、わざとじゃないっす!

 自分からおっぱいを触らせるような、恥ずかしい子だと思わないで欲しいっす」


 どうやら体が勝手に動いたらしい。

 だが、今の謎ムーブでロープが緩んだ。


「今なら手が離せそうだ。

 アキ、ちょっとじっとしていてくれ」


 俺がそっと手を離すと、アキはすぐに後ろを向いて衣服を直した。


《ぴー! 着衣で9回、なまで4回、モミモミを確認しました。

 すばやさを9レベルアップします。

 さらに、なまなまモード分で追加で4レベルアップします》


「オパールくん……あたい、今日のこと、忘れないっす!」


 アキは顔を真っ赤にして倉庫を駆け出ていった。


 俺の体が一瞬光り、夕日と同じ色をしたビキニアーマーが身に纏われた。

 ……なんだったんだ?


「な、なあアナウン子……さっき、勝手に服が捲れたんだが、あれはなんだ?」


《マスターが生おっぱいを意識することによって、生おっぱいを揉むのに障害となる物質を排除できるようになりました》


 邪魔な服やロープがどかされた、ということなのか!?


《いままで、ここまでこのスキルを使いこなしている歴代のマスターはいなかったのではないでしょうか。

 スキルのランクアップによる強化です》


 スキルを使いこなすことによってランクアップするのは知っていたが……この能力、やばくないか?


「俺が生おっぱいのことを考えるだけで、女の子の服が勝手に脱げるのか!?」


《その認識でだいたいあっていますね。

 生おっぱい目的のとき限定で発動するサイコキネシス的な能力です》


「や、やばすぎる……!

 こんなスキルを持っていたら、社会で生きていけない」


《今回は緊迫した事態だったので無意識に発動させてしまったようですが、普通は意識を集中して発動させる能力なので、暴発はあまりないですよ》


 そ、そうなのか?

 どちらにせよやばいだろ!

 俺にとっては絶対に発動させたくない、地獄のようなスキルだ……。



 ◆ ◆ ◆



「あ、小僧! こんなところにいたのか!

 何を遊んでおるのだ!」


 倉庫の入り口からアホメットが覗き込む。


「みんながロープを持ってくるのを待っているぞ!

 我も運ぶの手伝ってやるから、早く戻ろう」

「あ、ああ。ありがとう」


 アホメットと手分けしてロープを持ち上げる。


「それにしても、我も反省だな!

 よくよく考えたら、こんなロープと間違えておっぱいをつかむやつなんて、いるわけがなかったわ!

 ぐわははは!」


 はい。俺、さっき間違えて、それやりました……。


「ま、本番の体育祭で小僧がどんなおっぱいの揉み方をするのか?

 楽しみにしておるぞ!」


 はい。俺、本番開始前の本日、もうすでにやらかしました……。

 とほほ。


————

次回、全員で協力おっぱい!

お楽しもみに!

————

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