第15話 聖夜至りて、災禍は終わる
「それでは一応事件を解決したということで、乾杯!」
「なんでそこに車いすに乗って包帯でぐるぐる巻きになっている
「全身に火傷を負ってるけどそっちはそこまででね。体中に筋肉と骨がズタズタになっていたみたい。あの時はアドレナリンのおかげで痛みがなかったけど今じゃ腕を動かすのすら至難の業って感じ。まあ、あと二、三日したら回復するだろうけどね。」
「
「そんなことよりさ、なんで私の部屋で祝勝会してるのさ。家主である私は納得してないんだけど。」
「まあまあ、皆さん落ち着いてください。色々話したい気持ちもわかりますけど、まずはそこでしゃべりたがっている
皆それぞれが生きているという現状を噛みしめながら
「よし、じゃあ飯を食べながらでいいから今までとこれからの話をする。まず
そう言いながら
「
「どうなんだって言われても、わざわざそんなところに行く気にもならないし。それに、あそこに行かなくても私が大天才ということに変わりはないからね。そんなことに時間を費やせるほど暇はないのだよ。」
「そうか。まあ、お前がそう考えるのならいい。ちゃんと未来のことを考えているんだからな。さてと、まあ今回はそんなことを話すために集まってもらったわけじゃない。お前たちも気になっているだろうアレについて少しわかったから共有することにする。」
長い話だったから要約をすると『アレは光プロジェクトと呼ばれるものによって生み出された産物らしい。そして、本来はあそこまでの凶暴性はなく友好的な存在らしいが、何らかの影響で凶暴性が高まりあそこまでの被害を起こしたらしい。また、捜査を進めていくにつれ
なんともまあ、あっけない幕切れではあったがいつものような日常が戻ってきたと考えればこれでよかったのだろう。そして、俺はこれからのことを考えなければいけない分岐点にいる。
祝勝会もほとんど終わりみんなが片づけを始める中、俺と
雪も降り始めており、吐く息すら白く空気を濁らせた。けれど、あまり寒く感じはしなかった。
そして
「その選択に後悔はないんだな。今なら引き返すこともできるが、本当にいいんだな。」
「何度も聞かなくても、俺の意志はそう簡単には変わりませんよ。俺は、公安になりたいんです。」
「・・・そうか、わかった。だがそこまで行く前に、まずは警察になる必要がある。ただ、そこまで気張らなくていいさ。これから頑張ればいい。だから、しばらくは普通の日常を噛みしめろ。戻りたくなっても、入っちまったらもう戻れないからな。」
そう言うとポケットから煙草とライターを出して煙草に火をつける。そして、雪の降る空の下に煙草の煙が混じり、消えていく。
今年のクリスマスはいつもと違ってなんだか暖かくて、そして今までのどんな時よりも冷たかった。
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