第7話 応援団の練習

――――放課後


――――視聴覚室


「今日は、まず動画を見てもらいますね。」

浅倉先輩が一本の動画を流した。

どっかの学校の応援団の演技の動画だった。

10分くらいの動画だったけど、かっこよかった♡

動画が終わって高橋先輩がこう言った。

「みんなでこれをやりたいと思う。」

えーーーーーーーーーっ!?

難しすぎ★

「みんなで、動画を共有したいと思う。」

そして、今度は浅倉先輩がみんなにプリントを配った。

「立ち位置とか、簡単にまとめたから、明日までに覚えてくるように。」

えーーーーーーーーーっ!

絶対、無理だぁ!


あれ、とても見やすく書いてある♡

人物が色分けされてて、自分の位置がすごくわかりやすい。


私は桃色だ♡

やよいは山吹色

高橋先輩は紫(紫チームの団長だものね)

浅倉先輩は赤だ


浅倉先輩から見たイメージカラーなのかな。


「朝倉先輩。これ、すごくわかりやすいですね。浅倉先輩が作られたんですか?」

やよいが発言した。

やよいのこういうとこ、すごいと思うんだよね。

上の人に気に入られるような行動、発言が出来るとこ。


「3年生の女子で作ったのよ。私ひとりじゃ無理だわ。」

ほら、浅倉先輩、嬉しそう。


「高橋君、今日はこれからどうする?」

「プリント見ながら、立ち位置の確認していくか。」

「そうね。じゃ、みんな 体操服に着替えてグラウンドに集合ね。」


浅倉先輩と高橋先輩、息びったりでみんなのこと引っ張て行くな。

高橋先輩の好きな人って、浅倉先輩のことなのかな?


ーーーーグラウンド


高橋先輩と浅倉先輩でみんなを立ち位置に誘導していく。


言われたことするだけで精一杯だぁ。

これに振付つけていくんでしょ。

絶対、無理ーーーーーー!


やよい、頑張ってるな。


「平松さん、よそ見しない!」

浅倉先輩に怒られちゃった...

初日から思ってたんだけど、浅倉先輩、私にあたり強くない?

嫌われてるのかな...


「平松!集中しろ!」

げっ、高橋先輩にまで怒られちゃったよ(泣)


こんなことなら、梶先輩の言う通り看板係してるほうがよかったな。

そうだ、帰り、3年10組の教室寄ってみよ♡


「平松!やる気がないなら応援団やめろ!」

げげげ、高橋先輩、マジ怒ってるよ(泣)


「平松さん、あなたの位置ね、かなり重要なのよ。」

「3年生にしてもらおうと思ったんだけど、高橋君が強くあなたを推すからしてもらってるのよ。そこのとこ、理解してね。」

浅倉先輩がさとすように言ってきた。


「...すみませんでした。」


私は、とりあえず頑張ることにした。


陽が落ちて、今日の練習はおわった。


「平松、すぐ帰るのか?」

高橋先輩が聞いてきた。

「えーーっと、3年10組の教室寄って帰ろうかと...」

「そっか、俺もあとから行くわ」


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