自由に生きたい~最強になれば常識も法律も関係ない~
矢斬旅都
第1話
初めてダンジョンが出現してから50年が経過した。というのも元々この世界にはダンジョンはなかった。まだ16歳の
ただ
「あと1階層」
思わずそんな呟きが口からこぼれ出た。
モンスターを殺したことにより力が高まる全能感と新たな能力を手に入れたことを体が感じ取る。
この階層のボスを倒したことにより次の階層へ行くための転移ポータルが出現した。
ダンジョンは階層が分かれており各階層の最奥にはボスと呼ばれる門番が存在する、このボスを倒さなければ次の階層に進むことは出来ない。そして階層は進めば進むほどモンスターの強さが増していくが、得られる力やアイテムの格も上がっていく。
「これで自由になれる、やっと殺せる…」
転移ポータルに触れると
これで最後だからだろうか、
―――
――
―
「なんでこんな簡単な事もできないのっ!!」
そう金切り声をあげながら妙齢の女性がコップの水を
中学2年も終わりに近づき学期末の評定が渡された、学年順位は5位まずまずの成績だ。だがこの女にとっては許せない結果だったようだ。
「こんな成績っ!!なんで1位を取ることも出来ないの!!」
そんな事を考えながら
ちらとソファーのほうを見れば
その後ひとしきり
「そこで反省してなさい」
そう言い
ふとベランダから下を見ればずらりと並んだ一軒家が見える、都会ではないが田舎でもないそしてその地域には不釣り合いな見栄を張ったような高さのマンション、ここが
まわりに虐待をしているなど知られるわけにはいかない、だから母から殴られたことなど一度もない、証拠が残ってしまうから。水をかけられ、食事をぬかれ、寝かせてもらえずに勉強、外部からは分からないように教育されてきた。
それから数時間後体内の熱が逃げぬよう動かずじっとしているとカーテンと扉が開かれた。
「中に入りなさい」
父である
「さっきは助けてやれなくてすまなかったね」
扉を開けると勉強机にベット、参考書のつめられた本棚に観葉植物、まるでモデルルームのような生活感の感じられないこの部屋が
ここは
服装や髪型さえも母の言いなりだ。
「こんなに体が冷えてしまって」
父がそう言いながら後ろから
「
ガタッ
「この話はまた今度にしよう、おやすみ
いつもの
「もう...なんでもいい......」
誰もいなくなった廊下にそのつぶやきは消えていった。
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