第7話 愛は地球を救う と言うらしいけど愛だけでは食べていけないよね ! 前編


栞さんに本屋に連絡電話をすると、やはり心配していたのか 直ぐに迎えに来ると言い出した。


「栞さんは、まだ若い独身女性なんだから、こんな冴えないオッサンと変なウワサに成っても困るでしょう。

サファイアは、私が本屋さんに連れて行くから心配しないで待っていてくださいね 」


「申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

サファイアが居なくなってから、祖母が非常にさみしがっているので助かります 」


俺と栞さんの会話を聞いていたのか、サファイアが


かおりちゃんが心配しているなら、仕方ないや。

今回は、オッチャンの顔を立てて帰ってあげるよ ! 」


まっ まずい ! サファイアの声人としての声が栞さんに聞こえてしまう。


「あら、もしかして『ニャア ニャア』鳴いているのはサファイアかしら。

あの娘が鳴いているなんて珍しいわ。

よっぽど福岡田ふくおかださんのことが気にいったのね。

実は、わたし達の前でもめったに鳴かないんですよ。

本当に申し訳ありませんが、よろしくお願いしますね 」


そう返事をして、栞さんとの会話が終わった。

疑問に思った俺はサファイアに質問した。


「 ああ、それはね。

ボク達、猫又や猫魈が認識した相手にしか人語を聞き取れないんだよ。

オッチャンは、前にボク達の集会所に来たことが有ったけど、ボク達の会議の内容が聞き取れたかい ? 」


そういえば、『ニャア ニャア』としか聞き取れなかったな。


「いいや、猫の鳴き声しか聞こえなかったよ 」


サファイアが ニヤリと笑いながら、


「何処かのドジっ娘じゃ無いからボク達は、バレるようなヘマはしないよ ! 」


「へぇ~、前に俺がサファイアの後を追けた時には、気づかずに猫の集会所まで案内してくれたじゃないか 」


俺が逆襲するとサファイアが、


「しっ 知ってて案内したに決まっているでしょう !

ボク達、猫……ましてや猫又や猫魈のんだからね !

ボクを追けて来たのがオッチャンだから、


『 追けてきているのはオッチャンかな。

だったら大丈夫だろう。

オッチャンは、猫たちに大人気だからね。

秘密を知ってもペラペラとしゃべったりはしないだろう』


と判断したのに…………しっかり、小説のネタにしちゃってるんだから、ボクの面目が駄々下がりだよ !

あれだけ、

!』

と、言ったのに書いているんだから呆れたよ !」


◇◆◇◆


サファイアににらまれてしまった俺は、


「仕方なかったんや !

アレだけのを知ったら、書かずにはいられなかったんや !

おかげさまで、沢山の🌟お星さま評価💙応援をもらったんだぞ !

YAC 2023 ~ヨムカク・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2023~

での4回目のお題『深夜の散歩に起きた出来事』では、かなり上位にランクインしたんだ !」


仮にも小説家の卵と思っているんだ !

書かずにはいられるか !


「ウワァ、開き直っちゃったよ。

ボク達をネタにしたんだから、1位くらいには成って欲しかったなぁ~。

小説家の卵ねぇ~ その卵、かえる前に腐らないといいねぇ~ ♪ 」


ウワァ、コイツサファイア嫌味を言いやがって !

ん ?


「なあ、サファイア。 なんて声に出ていたか、俺 ? 」


「声に出ていなくても、人の考えている深層の浅い処ならさとることくらい出来るよ !

猫魈は伊達じゃないんだからね !」


ウワァァァ、サファイアの奴は妖怪のさとりみたいだなぁ~……あっ、猫魈も妖怪だったよな。


「まあ、確かにボク達、猫又や猫魈は妖怪の仲間だけどさ、さとりなんて 引きこもり妖怪と一緒にして欲しく無いなぁ~ 」


何気にサファイアは毒舌だなぁ~

それに比べて、ウチのさくらは素直で可愛いなぁ~。


「毒舌で悪かったね、オッチャン !

これでも長い間、猫生を生きているんだから 素直な少女でいられないに決まっているだろう !」


口では、サファイアに勝てそうに無いなぁ~

猫……猫魈だけど、勝てない俺って情けない。

まあ、それはさておき、そろそろサファイアを栞さんのところ本屋に連れて行かないと心配しているだろうな。


さくらのお出かけ用のキャリーバッグを用意していると、


ポンッ !


猫に戻った さくらがタンスの上に避難して、


ソレキャリーバッグ嫌い !

何度もオヤツで釣られて騙されたけど、ボクだって学習するんだからね ! 」


サファイアが、ジト目で俺を見ている。

さくらも凄く嫌そうに俺を見ていた。


「意地悪で、さくらをだます訳無いだろう !

病院に行く時や換毛期かんもうきトリマー ペット美容院や俺の実家に帰る時に入ってもらっているだけなんだから仕方なかったんだよ 」


出来るだけ優しく言うと、


「ブーブー、差別反対 !

ボクと さくらの扱い方が違い過ぎるじゃないか !

ボクに優しくしてくれてもバチは当たらないと思うんだけど ! 」


「いやいや、さくらは俺の愛娘で、サファイアは栞さんの本屋の猫だろう。

栞さんや香さんが心配しているから帰ろうか、サファイア 」


「嫌 ! うるさくえまくるマッケンローポメラニアンも嫌いだけど、栞ちゃんに言い寄るマッケンローの飼い主も嫌いだから帰りたく無いよぉ~、オッチャン !

そうだ !

いっそのこと、オッチャンが栞ちゃんをもらってよ !

そうしたら、ボクもオッチャン家の娘に成るからね ! 」




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