第26話 monster


翌日。

学校に行ってから私は転校生の白田について調べ始めた。

奴はやはりアイツ。

つまり真白の友人だった。

真白の友人、とだけでかなり警戒してしまう。


私はその事を考えながら廊下を歩く。

それから奴の居ると思われる教室に向かった。

そして教室の中を覗こうと思い窓の付近に居ると「あれ?もしかして糸瑞春奈さん?」と声がした。

顔を上げると女子が居た。

というかコイツ。


「...白田先輩ですね」

「うん。白田だよ。どうしてここに?」

「いえ。このクラスの方に用事があったので来ました。今は居ないみたいなので出直します」

「そっか。分かった。またね」


計画的かカンか。

どっちにせよ私に接触したという事はかなり大きいと思う。

威圧かも。

私は静かにその姿を見送ってから汗を一筋かいてから教室から離れた。



犠牲になった人達の為に私は真実を明らかにしたいのである。

だからこのまま立ち止まる訳にはいかない。

そう考えながら私は教室に帰る。

それから考えた。


麦の犠牲をこのままにする訳にもいかない。

私の大切な友人を犠牲にした罪は償ってもらうつもりだ。

関わった奴ら全員に。


「その為には...」


私はニコニコしていた不気味な奴。

つまり白田について調べを深める事にした。

奴はおそらくは私達の脅威になりかねないと思うのだ。

思いながら考えているとあっという間に放課後になってしまった。

私は静かに立ち上がり今日は帰宅しようと思い廊下に出て衝撃を受けた。

何故なら。


「ハロー」

「...白田先輩。何の用事ですか?」

「君と話がしたくて。これから時間ある?」

「...有りますが...」

「じゃあ付き合ってくれない?」

「...」


警戒しながら私は彼女を見る。

彼女はあくまで真白の友人である。

何を考えている。

そう思いながら私は彼女を見た。



「ここのシェイクって美味しいんだよ」

「...ですか」


言いながら彼女は能天気そうに振る舞う。

場所が場所だったら止めようと思って付いては来た。

駅前だったのでまあ良かったと思いながら私は彼女に聞く。

「それで。一体どんな用事ですか」と。

すると彼女は「うん。1つ言いたいのは分かり合えない?って提案をしたいの」と言った。

馬鹿か。


「これだけ最悪な目に真白に遭わされました。私は絶対に分かち合いは出来ません。私も彼も皆傷つきましたので」

「うん。それはよく分かる。気持ちはよく分かるよ。だから私は真白とは別れたから」

「ですか。まあだからと言って私は貴方とは分かり合えないです」

「真白の居場所バラしたのは私だけどね」


まさかの答えに青ざめる私。

それから怒りが沸々と湧いてきた。

まさかとは思うがこの女が唆したのか?

そう考えながら「その目は私が麦さんを唆したって感じかな」といちごシェイクを飲みながら向いてくる。


「私はその面は知らない。あくまで私は真白。彼女を切り捨てただけだから。私の身が大変な事になる前に。まさか刺すとは思って無かったから。居場所は伝えたけどね。それは分かってほしいかな」

「...」


私は静かに彼女を見据える。

何をもってそれを信じろというのだろうか。

そんな事を考えながら私は彼女を見る。

彼女は「私をどれだけ睨んでも何もしてないとしか答えようが無いね」と言いながら肩をすくめる。


「申し訳無いですが私は貴方を決して信じれないです」

「そうなんだね。じゃあ私は徐々に貴方に信頼してもらえる様に頑張るよ。だけど最初も言ったけど麦さんの暴行行動は予想外だった。あくまで刺してしまえとか唆してないよ。これは本当にだけど」

「...そうですか」


シェイクの筒を見ながらそう話す白田を見る。

白田は伸びをする。

それから「まあいずれにせよ」と切り出した。

ニコッと私に笑みながら「私は信頼されてないなら行動で表現するしか無いね」と言う。

まあどうあれ全く信頼が出来ない。

コイツはあくまでも真白の友人だった。

どうあれ変わらない。


「私はあくまで貴方を信頼はしない。...交渉だろうが私達に脅威があるのは見過ごせない」

「...あ、それから仲良くなりたいしもう一つ教えてあげる。富沢は殺された」

「は?」

「...兄の言葉だけど。富沢は殺されたよ」


「は?」としか言葉が出ない。

コイツは何を。

人の死を軽んじている。

そう思いながら「...誰がやったんですか」と聞いてみる。

すると「さあね。富沢もそうだけど真白も。みんな悪いね。全てが地に堕ちるべきだったんだよ」と笑顔を浮かべる。


「...貴方は悪魔か何かですか?」

「私は情報を提供しているだけだよ。悪いのは彼女達だ。勝手に自爆していった彼女達。だから私は何も分からない。彼女達の思いは。私は悪魔とかじゃ無くてあくまで知っただけだから。情報を」

「...ますます貴方が怖いです」


それから私は「申し訳ないんですけど貴方はやはり信頼出来ない」と返事をした。

そして立ち上がる。

「帰ります」と言いながらだ。

白田は「そっかー。まあ気を付けてね」とニコニコしながら返事をした。

最後に1つ質問した。


「貴方はどうも思わないんですか。彼女達を」

「勝手に地に堕ちたしなんとも。自爆しちゃってねー。全く」

「...貴方は感情と人付き合いの大切さが無いんですね。じゃあ」


それから私は勘定を払ってから白田を置いて外に出てから帰宅した。

真面目に奴は悪魔だと思う。

全く考えがまとまらない。

彼女を見ているとあちら側に引き摺り込まれそうである。

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