第18話 ((((;゚Д゚)))))))

それから1カ月が経過した。

俺は残念ながら変わらず学校に行けていないが...その代わり田畑先生が心配して家に様子見で来てくれる様になった。

俺は通院の為に病院に行き。

そして春奈も...一応変動無く...学校に行けている。


まるで閑古鳥でも啼くかの様に静かになったが...何かが起こっていると思っている。

俺は目の前の春奈から貰った絵を彩色しながら顎に手を添える。

それから描いているとドアがノックされた。

そして春奈が入って来る。


「拓哉さん」

「ああ。春奈」


因みに春奈は俺を、拓哉さん、と呼び始めた。

俺は当初は恥ずかしかったが徐々に慣れてきたので名前呼びを了承した。

春奈はタブレットを見せてくる。


「何か私達の活動を広めてくれているファンが居て」

「そうなのか?」

「うん。...恥ずかしいけどね」

「そうだな。でもそれは嬉しい事だな」

「そうだね」


春奈は笑みを浮かべながら俺を見る。

俺はその顔を見ながら視線を逸らしてからまた春奈を見る。

そして俺は手を止めた。


「春奈」

「うん?」

「...お前の絵は最高だけど...満足しているのか?俺の...腕で」

「満足も何も...私、自己満足で描いている様なものだよ?だからありがたい」

「...そうなんだな」

「うん。まあでも満足は満足だけど」

「...」


俺は春奈の頭を撫でる。

すると春奈は「も、もう」と抵抗する。

その顔に「可愛いな。お前」と言う。

春奈は「拓哉さんのエッチ」と言いながら口をへの字に見せた。


「...ねえ。拓哉さん」

「何だ?」

「...アイツら...どうしたのかな。...拓哉さんをイジメていた奴ら」

「分からんな。まあでも良いんじゃないか。全く反応が無いし」

「そうだけど...」

「...何か不気味ではあるけどな」

「そうだね...」


何をしてくるかも分からない。

そしてアイツらの居る場所も分からない。

だったら怖いわな。

考えながら俺は筆を置く。

それから春奈を見る。


「春奈。俺としては過剰に心配する必要は無いと思う」

「うん。まあそうなんだけど」

「...それにもし何かしてくるといっても警察に訴えたし。何か出来るとは思えない」

「...だね」


それから俺に絵を手渡してきながら柔和になる春奈。

俺はその顔を見てから頭を撫でる。

そして「...大丈夫。心配する事はない」と言いながら髪の毛をすく。

そうしてから春奈を引き寄せる。


「春奈の事、守るよ」

「...うん。ありがとう。拓哉さん」


春奈は立ち上がりながら俺にハグをしてきた。

俺はそんなハグを受け止めながら春奈の頭をまた撫でる。

甘えたがりだなコイツ。


「とにかく。何も起こらない事を祈りたいけどな」

「そうだね。これ以上は私も苦痛かもしれないから真白も...アイツも地獄に静かに堕ちてほしいよ」


それから俺はそんな言葉を話した春奈を「...」となって見る。

そして俺は絵をまた見る。

完成したその色付けた絵を。

俺はその絵を見てから「完成したしまたネットに絵をあげようか」と春奈に言う。

春奈は「だね。...確かに」と笑みを浮かべて俺を見てくる。


「拓哉さん」

「?...何だ?」

「私ね。...貴方を好きになれて本当に良かった。貴方という人に出逢えて良かった」

「...ああ。俺もお前に出逢えて良かった。本当に大切なものに気付かされた」


俺は春奈を見る。

それから春奈と一緒に作業をし始めた。

絵に彩色。

そして春奈はその絵をネットにあげる。

そんな作業を繰り返す。

そうしていると。


(突然のメールすいません)


とメッセージが入った。

俺達は「?」を浮かべながら画面を見る。

するとメッセージはまた送られてきた。


(私、絵師の者です。あなた方の絵に魅力されてお話したくメッセージを送りました)

(絵師さん?)

(はい。レジェンドオブアルトラムという有名なライトノベルの総合絵師です)


レジェンドオブアルトラム!?

俺達は驚愕して顔を見合わせた。

それから愕然としながらレジェンドオブアルトラムの絵師。

名前をカワタというがそいつの文章を見る。

確か男性の有名絵師だ。

それもクソ有名。

何故ならレジェンドオブアルトラムが2000万部売れている。

2000万部売れるのは言わば超絶大ヒットといえる状態だ。

例えで言うならNARUT◯レベル。

ハリーポ◯ターには及ばないかもしれないが世界的にも有名である。

当然、カワタの絵も有名である。

そんな有名な絵師が何故。


(レジェンドオブアルトラムはご存知ですか?)

(知ってます。無茶苦茶有名ですよね)

(ありがとうございます。それで私、あなた方たくはるの絵を拝見させていただき、何卒、ご連絡を、と思いまして)

(マジすか...)


マジかよ。

そう考えながら春奈を見る。

春奈は「ど、どうしよう」ともの凄く青ざめて慌てている。

俺はその言葉に顎に手を添える。


(あの)

(はい。何でしょうか?)

(い、いや。すいません。その。私達の絵を気に入ってくれてありがとうございます。嬉しいですが絵の事でご連絡を?)

(あ、いえ。そちらもそうなのですが一度、お会いしてお話出来れば、と思いまして。それでメッセージを送りました)


マジすか...。

考えながら春奈を見る。

俺達は興奮気味だ。

これはチャンスだと思う。

色々な、だが。

しかし...。


「お兄ちゃんは大丈夫なのかな?会っても」

「大丈夫だと思う。会いたい。チャンスはものにしたいが...まあでも不安にはなる」

「だろうね...断る?」

「いや。...会おう。頑張って持ち堪える」


それから俺は膝をブッ叩く。

そして春奈と一緒に文章を打ちお会いしましょうとカワタさんと約束した。

今週の土曜日に会う事になった。

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