夜の静寂に溶ける想い

輝人

第1話 まさかの再会

塾の帰り、俺は疲れた体を電車の座席に預けていた。ほんの少しだけ目を閉じようと思ったはずが、いつの間にか意識が遠のいていた。


──コツン。


肩に優しく触れる感覚で目が覚めた。


「……ん?」


ぼんやりと目を開けると、目の前に見覚えのある顔があった。


「輝人……?」


驚いて目をこすった。間違いない。そこにいたのは華乃だった。


「華乃?」


彼女は小さく微笑んで、俺の隣の席に座る。


「ちょっと寝てたみたいだから、声かけたの。」


「そっか……ありがとう。」


心臓が少しだけ速くなる。久々に会ったわけではないのに、こうして不意に再会すると、やけに意識してしまう。


「疲れてるの?」


「まぁ、塾だったしな。」


「ふふ、寝顔、ちょっと可愛かったよ。」


「はっ?!」


俺が慌てて背筋を伸ばすと、華乃はくすくす笑って、俺の腕にそっと触れた。


「そんなに驚かなくてもいいのに。……ねぇ、次の駅、降りる?」


「……うん。一緒に帰ろうか。」


電車の揺れと、華乃の隣にいる安心感。さっきまでの疲れが、不思議とどこかへ消えていく気がした。

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