第1部

第2話

 古くなって今は使われなくなった実習棟の1番南にある音楽室。


 黒板の前にある、人1人乗れるくらいの小さな丸いステージに座って、天窓からの太陽の光を浴びながら昼食を済ます。


 それが私の日課だった。


 でもその日は、いつものように教室に入ろうとすると教室の中に人影が見えた。


  先客…?珍しいな。いつもこっちの建物には誰もこないのに。


  入口の扉が開きっぱなしだったので音を立てないようにそっと中を覗くと、いつもの小さな丸いステージの上に1人の生徒が立って天窓を見上げているのが見えた。

 

 そして、その生徒は目をつむって息を大きく吸ったかと思うと、両手を広げて歌い始めた。

 

 ——高く透き通った、伸びのある歌声。


 思わず見入ってしまった。


 何にも縛られず自由に歌うその姿が、あまりにも美しくて……。



 


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