第49話 王都へ出発
センタニアの宿でクローさん達と合流後
入って来た門とは別な方向へ歩き出す。
少しすると馬車が何台が置いてある場所に来たので、どうぞと言われた馬車に乗り込むと
「この馬車でセンタニアの西門まで行きます。そこで叔父の用意した馬車に乗り換えて王都へ行く予定です。」とアルフさんが説明してくれた。
「そうですか 手配ありがとうございます。」と聡が答える。
「いえこの程度のこと、我々は命を救ってもらった身です。それに今となってはあのままダンジョンを出てエルフの里に同じように頼んでいたらと思うと恐ろしいことが起きていたでしょう。王都までは不自由をかけてしまって心苦しいのですが。」とクローさんが言ってくれた。
センタニアの西門には10分ほどで到着した。
降りた馬車の御者さんにお礼を伝え
次に案内された馬車はかなり豪華だった。
一目で金がかかっているとわかるものだった。
しかも、馬車には疾風の蒼炎のメンバーが2名交代で乗る
並走して馬で馬車を守るように移動するそうだ。
聞いてみると王都までの道のりはこの馬車が行き交える程度に道幅がありきちんと整備されているらしい。
馬車の御者さんによろしくお願いします。といい馬車へ乗り込む。
「車で行きたいね。(笑)」乗り込んだかなみが聡と紗友里に言う
「だな。軽とはいえ、爆走すればあっという間なんじゃないかな?」と聡もいたずらっぽく言う
「目立つしダメじゃない?」と紗友里
「くるまとは何ですか?」とアルフさんが聞いてきた。
「馬車で走り出して、誰にも見つからないところがあればお見せしますよ。それか帰り道は乗って行こうかな…」とかなみ
「乗り物ということですね。」とアルフさん
「ええ、私たちの国では車の色々な形や大きさの物が走ってます。」と聡
「隠さなくていいの?」と小声で紗友里がかなみに言う
「後ろ盾得られたら好きにしていいべさ。あとは私たちが強くなるだけ。
誰にも負けたらダメだけど」と聡に向かってね~と同意を得ながら笑うかなみ
そうだぞとでも言いたげに頷く聡を見て紗友里もこの人たちマジで自由にやるつもりだとちょっと恐ろしくなったというか、まだ起きていない問題にこの国の人たちに迷惑かけるかもごめんなさいという気持ちになってしまったのだった。
しかし、この両親は守るべきものに降りかかる火の粉は何倍もの業火にして返却するが自身にかかる火の粉は甘んじて受け入れる質なのも知っている
特に聡の方はかなみに気付かれなければ放置だ
かなみは火の粉を払う程度で一番後腐れのなさそうな方法を好んで選ぶ
何事もありませんようにと祈らずにはいられないのだ。
こうして、豪華な馬車の旅が始まりました。
最初の同乗者はサラさんとショートさん
フランソワは走りたくなったら勝手に外に飛び出していき疲れるとかなみ達に念話
扉を開ければ飛び乗ってくるという荒業をみせるようになった。
ネロは馬車の座る部分の背もたれの上で静かにしている。
ネロは基本猫のようにのんびりだ。
かなみはネロの種族であるフォレストキャットについて
ショートさんとサラさんに質問した。
「フォレストキャットっていつもこんな感じですか?」
背もたれの上部と壁のL字の部分で臍天で寝ているネロを指してきいた
「フォレストキャットは基本森に住んでいるので人の前でこのように寝ているのは僕は見たこと無いですよ」とショートさん
「私も」とサラさん
「かなみ、猫でも馬車で臍天はないと思う」と聡
「ネロは将来大物ね」とかなみわ笑う
「良い方の大物になるといいけど」と紗友里
当のネロは
必ず守ってくれる主であるかなみとそのご主人である聡、先輩である犬なのに強いフランソワ
魔法が凄い紗友里は守ってくれるかまだちょっとわからないってところではあるが
この面子が護ってくれるなら向かうところ敵なしなのだから
お腹みせてても全然平気だった。
周囲から強い魔物の気配もないし
しかも、この寝方をすると
かなみと紗友里が可愛いって騒いでくれてちょっと良いおやつをくれるのだ
「やっぱり、ネロは猫なんじゃない?」とかなみに対して
“主様違うにゃー わたちは猫なんて小物じゃにゃいわ。
フォレストキャットよ!”と片目だけ開けてニャーニャー反論するのだった
「やっぱ猫じゃん。」とかなみはぼそっと言うのだった。
身も蓋もない…。
こうして、夕方までどーでもいい話をしながら馬車の中での時間を過ごした。
もう少しで日暮れかなってところで今日泊まる町に着いた。
御者さんにお礼を伝え、明日もよろしくお願いします。と頭をさげる。
許可を取ってから馬達におやつになるだろう人参やリンゴをあげてから待ってくれていたアルフさんの元へ
並走していたアルフさんは先に宿を取ってくれて待っていたのだ。
ここから代金はすべてアルフさんの叔父さん持ちになるそうだ。
いやいや宿代くらい払うと申し出たが却下だそうだ。
しかし、この夜から部屋に必ずお客様が訊ねてくるようになる。
どうやら王都に向かって貴族の後ろ盾を貰い受けに来るとんでもない家族が居ると貴族たちの情報網にひっかかったらしい
まともにコンコンコンと尋ねてくる者たちは疾風の蒼炎がお帰り願い
夜中の失礼な時間に訪ねてくる者は聡が返り討ちにしていた。
聡はそのことはかなみ達にもちろん内緒である。
不安にさせたら可哀想だと
しかし、こうして聡は寝不足となり馬車に乗ってる間は
グォーグォーとおおいびきをかきつつ眠り続けるのだった。
かなみは何かを感じとり笑顔で肩を貸す
紗友里は煩いのでかなみと聡の周りにシールドを張り音が極力漏れないように努力した。
かなみは聡のいびきも好きなので全く気にならない(笑)
むしろ音に誘われてたまに一緒に眠っているくらいだ
紗友里はいつもそれを信じられないという顔でみるのだった。
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