北海道から異世界

北ノ美夜子

第1話 プロローグ

私の名前は かなみ 今年41歳になる

小柄のぽっちゃりめな独り言が多い普通の主婦だ。

ただ、ダイエットは順調そのものだ。

一昨年のマックス体重は85kgを記録した。もしかしたら体重計に乗ってない時期はもっとあったのかも…。

そんな中流石にヤバいと痩せる痩せる詐欺を繰り返しつつ77kgまで減量。

そこから現在67kg今もダイエット継続中だ。

そして、そんなまん丸ぷくぷくな私は昨年春先に離婚している。

その後、今の旦那様 聡さんと出会いあっという間に恋に落ち

熱烈アタックで再婚の運びとなった。


そして、昨年末までフルタイムで勤務していた会社を辞めた。

現在は職探し中である。


聡さんはそんな負債だらけのような私を愛してくれている。

「仕事はゆっくり探した方がいいよ。」

とっとと働け状態なはずなのに

焦らず就活するんだよと諭してくれている。

私は幸せ者だ。


そんな私の優しくてカッコイイ旦那様を紹介しよう。

名前は さとし 59歳

そう、なんと18歳も年上なの

身長はかなみより15cm以上高めのスラっとした旦那様

過去に体を鍛えていたこともありなかなかの筋肉質

優しくて、頭の良い私には勿体ない人

ちなみに元警察官、現在は自動車学校で指導員をしている。

警察官の前はご実家の建設会社の手伝いの為設備屋さんもしたことがあるそうだ。

因みに彼もバツイチだ。


そして、私のの愛娘 紗友里さゆり 17歳

私より小さい小柄で細い、出るとこは出ているナイスバディ(ちっ)

通信教育の高校に通っている。

絵を描くことが好きでよくPCに向かっている


だが、そんな夫婦にはお金があまりない。

共働きの時は順調に貯金が増えた。

全くないわけではないのだ向こう4か月程度暮らせる蓄えはあるが

かなみは現在職探し中

そう、今後を考えると不安しかない。

なので次こそは長く働けるお仕事をと毎日求人情報と睨めっこしているのだ

大したスキルも経験もないくせに

紗友里は専門学校に通いたいという進学の希望もあるしどうにかしなければならない


そんな彼らが住んでいるのは北海道札幌市にある手稲という地域だ

本当は地下鉄徒歩圏のマンションでも借りるはずだったのだが色々な事情でここに住んでいる。

もちろん貸家。

手稲も宅地化が進み住宅街が広がってはいるが、彼らが住んでいるのは畑が多い大家さんは農家だ

昔自分たちが住んでいたお家を貸家にして、ご自身のお子さんに建てた家に引っ越した。

どうやら、農家を継いではいないらしい。

古いが丈夫な一軒家、なんと小型ホイールローダー付き(笑)

「元々借りてくれる人なんていないし雪かき大変でしょ~それも使わないからそのまま使ってていいよ~」なんてありがたいお言葉をいただいた。

車も中古車を買ったし

何より聡さんの職場が違いので一度ここに住むことにしたのが先月のこと。


朝、聡さんを送り出し家事を済ませて

日課の筋トレを終わらせる。

夜ごはんのメニューを考えて、軽い下ごしらえをしたら

雪かきスタイルを装着

小型ホイールローダーの車庫へ

因みに除雪は聡さんが終わらせてくれている


“じゃあ、お前は何をするかって?練習だよ。”


かなみも除雪をしたいと思ってはいるが自信がないのだ

だって、万が一にも家とか車庫とかぶつけたら洒落にならないからね。

聡さんに運転の仕方を教えてもらい畑の中を練習するのだ


聡さんは穏やかに

「かなみはもう大丈夫だよ。除雪しても心配ないくらい運転できてるから」

とお墨付きはいただいたが私自身の不安がぬぐえるまでは練習するつもりである。

聡さんも除雪をかなみにさせると家事から何からすべてかなみが担う事を気にしているので

除雪自体別にやらなくてもいいよスタンスなのだ。


だだっ広い車庫の大きなシャッターを開ける


「さてさて、今日も練習しますよ~よろしくね~」


とホイールローダーに声をかけるのはいつもの独り言


そんな中乗り込む前の周辺確認

奥の壁が一部真っ黒に見えた


「え?うそ。穴?なわけない向こう側見えないし。

それにしても四角ね~。サイズは扉みたいな…」


などといつもの独り言を言いながら一応確認の為その漆黒の何かに近づくかなみ

かなみは鳥目気味なので暗い所や黒い物を見るのは得意ではない。

決して老眼ではない!

今だに裸眼で免許も更新できているし、本だって新聞だって普通に読める!

でも、黒い物をみるのは得意ではないのでスマホのライトで照らしつつ

現状の確認をする。


「ドアね。外に出る所なってあっち以外もあったのか…。知らなかった。

でも、聡さんが気づかないなんてことある?」


かなみは疑問を口にする。

そう、かなみの旦那である聡は借りたり買ったりする大きな物は

家族に危険がないように隅々まで調べる。

ヤバい所は大家さんに許可を取り直してくれたりもした。


「やっぱり、前見た時は無かった。」


かなみは記憶力は良いのだ。

時系列でしっかり刻まれた記憶はまず忘れない。

しかもほんの1月ほど前のこと忘れるわけがないのだ


「聡さんが帰ってくるまで触らない方がいいかな…でも…気になる」


そして、かなみは好奇心旺盛である。

我慢などできるわけがない。


「ただの黒い四角かもしれないしぃ、ちょっと触って調べるくらいなら大丈夫だよね~ もし開いちゃった時の為に…そうそうあれを近くに持って来よう」


ペンキの入った一斗缶である。

万が一開いた後、閉じてしまっては聡に見せられない。

そして、ドジなかなみ自身が閉じ込められたなど笑い事では済まされないのだ。


「これで準備は万端だ。」


漆黒の四角には取っ手が無かった。

押してみたり、横にずらすように力をかけてみたり

かなみは色々試してみたがびくともしなかった。


「開かねーな」


そして、もう一度ライトであちこち照らすのだった


「あれ?こんなマークさっきは無かったと思う…」


取っ手があるであろう場所に手のひらマークがライトに照らされキラキラと反射していた。


「これが怪しいね。つか怪しすぎ。大丈夫かなこれ(笑)」


除雪の為の手袋を外して扉に手を当ててみた

漆黒だったそれは青白い光を数秒放ったのだった。

かなみは眩しくて目を閉じた。


「これ、マジで聡さん待つべきだったかも…」


瞼の眩しさがなくなったので恐る恐る目を開けると

漆黒の四角は扉へと変わっていた

こげ茶っぽくなった扉は

かなみが子供のころよくあった扉だ

サムラッチ型の取っ手が現れたのだった。









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