005 シルキスト、オープン!

 午前9時50分、カフェ&ショップ シルキストは開店準備に追われていた。特にお掃除、飲食店だから当然といえば当然だが、とにかく清潔に保つこと。これが大事。

 キッチン担当のモエちゃんはもうキッチンで料理の準備を始めている。当然、下着の上にエプロンを身につけるわけなのだが、なんとビニールでできた透明なエプロンをしていた。スケ感がなんともえっちだ。着ける下着によっては普通のエプロンをして、裸エプロンみたいな感じにすることもあるらしい。……エプロンで隠れるブラってことは紐どうなってるの……。


「んじゃ、今日からの新人がいるから自己紹介してね」


 土曜日の午前シフトに入るのは四人。私、マカさん、モエちゃん、そしてまだ名前を聞いていない茶髪の女の子だ。


「今日からシルキストで働かせてもらいます、ランです。飲食のバイトは初めてなのですが、精一杯頑張ります」


 パチパチと軽い拍手で歓迎される。マカさんとモエちゃんは4Mとして動画でいっぱい見ているが、茶髪の子は……なかなか自己紹介してくれない。


「ほら、自己紹介してあげなよ」

「あぅ……さ、サラです。ひ、人見知りを治したくて……」

「サラさんは人見知りが過ぎて就活できなかった22歳。もともとここで下着を買ってたお客さんなんだけど、あわや風俗で働くところを、ここで働いてもらうことになったんだよ」


 ここも風俗とそんなに変わらないような気はするんだけどなぁ……。


「サラちゃんGカップだっけ?」

「は、はい……。身体ばっか大きくてごめんなさい……」

「大丈夫だよ、おっぱいだって背だって大きくていいんだよ」


 胸は大きいけど背は低いモエちゃんと違って、サラさんは上背もある。ちょっと猫背だからより胸に目が行ってしまう。白い肌によく似合う白い下着はバラっぽいモチーフで、上品なサラさんにはしっくりきている。


「昔は体形が出にくい服を着て眼鏡もして化粧っ気もなくて、地味子って感じだったんだけど、ここでいろいろ教わったんだよね」

「は、はい。発声とかお化粧とか、姿勢とか……あと、えっちなことも」

「ここ……本当にそういうお店じゃないんですよね?」

「まあね。でもお客さんやスタッフ同士で仲良くなったから、そういうことをしたって、それはいいことじゃん?」


 マカさんがけろっというけど、私もひょっとしたらここにいる人たちと……まぁ、楽しそうではあるし、今は特に好きな人もいないから。


「さーて、お店開けるよー」


 バイト初日、頑張るぞ!!

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