第9話
「た、大変です!大魔王様!」
「んあ?どうしかしたか〜?」
せっかく現実逃…いや昼寝を楽しんで
いたのに、一人の兵が俺の寝室に突撃して来た。でも、おかしい。俺は仕事を
しない。仕事関係ならサニーの所に行く
はず…嫌な予感がする…頼む!外れろ!!
「『嫉妬』の大魔王様から魔王決闘の
申し入れがありました!!」
ああ、さらば愛しの寝具達…
やっぱ面倒事か。確か魔王決闘って
魔王同士が戦って勝った方が敗けた方の
魔王に何でも一つだけ望みを強制的に
叶えさせる物だったな…過去には敗けた
魔王の命だったり、財産だったり、配偶者なんてのもあったって【睡眠学習】で
知った。え?なんでそんな事をしっかりと認識したか?それは…
「仕事をしないなら、せめて魔族の常識
くらいは把握しておいて下さい。いつも
私が近くにいるとは限りませんから」
というド正論を突き付けられたのだ。
だからベッドで(もちろん寝っ転がって)様々な本を読んで【睡眠学習】で学んだ。
で、面倒な事に、この決闘を受けないと
他の魔王達も出てきて魔族の恥として
スキルを封じられ魔王達にボコられた後に武器と防具無しの状態で人間の国に
ポイ捨てされる。
その後は…まぁ勇者がアレだからな好待遇はありえない。というか、
死は避けられない。普通は。
スキルを封じられるのは生きている内だけつまり…一度死ねば無効化される。
…だから、
これに関しては俺は大丈夫なんだよな〜
蘇るから。ただな〜そうすると新たな魔王を他の魔王達に選ばれるんだよな〜昔は
傀儡の魔王も何人かいたみたいだし…
正直に言えば、魔族がどうなろうが
どうでもいいけど…そこにサニーが
入ってるなら話は別だ。
……仕方ない。受けるか決闘。
「はぁ〜分かった。その決闘を受ける。
場所と日程は受けたこちらが選んで
いいんだよな?」
「え?あ、ハイ!ですが…その、大丈夫
なんですか?『この前の城の崩壊は老朽化もあったのではないか?』なんて声も
ありますが…」
へぇ~まだ認めていない奴らも少しは
いるのか。まぁいいけど。サッサとこの
下らない決闘終わらせてダラダラしよ〜。
「あ〜大丈夫、大丈夫。こんなんでも結構強いと思うよ?俺」
なんせ…さっきの昼寝で更にスキルが
増えたからな。
『睡眠時間が一定量を超えた事により、
スキル【
スキル【
【
対象にした存在が死亡又は完全に機能停止するまで強制的に休眠状態にする。
【
生物のみ使用可能。対象が寝ている間だけ悪夢を見せ続ける。
…これ殺されるより嫌だな。
拷問コンボじゃねぇか…やるの俺だけど。せめて相手がコレを使っても何も感じないクズでありますように。
後は…場所と日程か…正直いつでもいい。
でも、一応サニーに聞くか。
あ、そういえばサニーに
知る事が出来る。つまり俺が死んだ理由を知ってるのはサニーの一族だけという事だ。今回の決闘の件の事を話すついでに
聞くか。
「あ〜やっぱり。決闘を申し込まれましたか。あの御方はウル様に特に対抗意識を
お持ちでしたからね。後釜である貴方様に八つ当たりをしても何も不思議は
ありませんね」
俺が今回の決闘騒動の話をするとサニーは疲れた顔でそう言った。疲れの原因は
聞かないでおこう…彼女の机に高さ
約五十センチの書類の山が三つほどある
様に見えるが俺には何も出来ん…いや、
待てよ?決闘の報酬を文官にすりゃ
いいんじゃね?今もサニーを含めて文官
七人で仕事してもらってるけど全然足りてるようには見えないし。うん、決定!
じゃあ…おっと、また忘れるとこだった。
「話は変わるけどサニーの持ってる
ピシリッ
……おや?おかしいな?
まるで空気が凍ったように感じるぞ?
………気軽に聞いたら駄目なヤツだった?
いや、でも俺、婚約者だし…いいよ…ね?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
うん…書いたの俺なんだけどさ?レオよ…マイペースが過ぎる。
頭に入ってるのと理解してるのは
違うんだなって。
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