第22話 外道死神VSメイド
私はやつに蹴られた後頭部をさすりながら、再び魔法陣を展開する。
「チッ、あの野郎、私をコケにしやがって…」
彼女が駆けていった方を見ると、そこには刀を構えるメイドの姿があった。
「さて、死神さん、一体何が目的なのか、話してもらいましょうか」
「はっ、お前が勝ったら、教えてやるよ。
私は魔法陣から出現させた鎖を伸ばし、やつに向けて飛ばす。当然避けられるが、やつを追従するように軌道を変える。そしてもう一本の鎖を、反対方向から挟むようにしてやつを追従させる。それに気付いたやつは進行方向を変え、私の方へ向けて駆けてくる。
やつは風魔法を応用し速度を上げ、私に斬りかかろうとしてくる。だがその選択は間違いだ。
やつが魔法陣の中心にいる私の幻影を斬り上げた瞬間、透過の魔法によって背後に隠れていた私がやつの頭目掛けて鎌を振るう。見えていないはずのその攻撃は、当たったという確信があった。だがその攻撃は空を切り、やつの刀が私に向けられる。それを反対の手で持っていた鎌で弾き、背後に少し後退する。その数瞬後、投げていた鎖がやつの頭上から振り下ろされる。
「口程にもないねぇ、それじゃあ私は先に進ませてもら____」
その数秒後、出現させていた鎖鎌が轟音とともに吹き飛ばされ、やつの姿を鮮明にする。
「あなたこそ、この勝負を投げ出すのは、認められませんよ?」
私はそれを見て、少しだけ口角を上げた。
「キャハハ、いいねぇいいねぇ、私をもっと楽しませてくれよぉ!」
そう言い、私は鎖鎌をやつの方に向けて左右から飛ばす。それをやつは真上に飛んで回避する。その空中に向けて、余っていた二本の鎖鎌を飛ばす。もらった。勝ちを確信した瞬間、やつは空中を蹴り、私の方へ向かって飛んだ。
「はぁ?」
私は困惑の表情を浮かべながらも、やつの攻撃を受けようとする。その次の瞬間、私の鎌とやつの刃が交錯する。かろうじて弾き、距離を取る。そして、追従していた鎖鎌が彼女の背後に迫る。上に飛ぶと読んだ私は、追従していない方の二本の鎖鎌をやつの上部へと飛ばす。だがやつは、それらすべての鎖鎌を弾き飛ばし、刀を鞘に納めながら構えていた。
どこからでも来い。やつの構えは、そんなふうに語っていた。躊躇する理由はない。
私はもともと4本出していた鎖を二本にまで絞り、鎖の硬度を上げる。そして、左右から、やつを刈り取るように投げる。そしてそれと同じタイミングで、私もやつに向けて走り出す。私の鎌、そして左右2方向からの鎖鎌、それらの攻撃が当たる瞬間、やつは刀を抜き、回転しながら、風属性魔法を乗せた攻撃を放ち、三方向からの攻撃を弾いた。その余波によって、私も吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
地面にうつ伏せになった私は、再び立て直そうと立ち上がろうとするも、その背中に自分のものではない重量を感じた。
「…私の勝ち、ですね」
やつは私の首に刀を当てながらそう言った。ここまでか、そう思った矢先、ふと社長に負けたときのことを思い出した。
ああ、そうだ。私は、
「…まだだ」
呼吸を整え、魔力に異常がないことを確認する。
「まだ終わってない!」
まだ周囲に残っていた鎖を魔力によりやつの刀めがけて放つ。それが当たり、やつの刀は弾き飛ばされ、やつは背後に後退する。
「ちっ、しぶといわね」
「さぁ、
私は強くなってやる。そう誓った。だから、
「勝たせてもらうぜ、メイドさん?」
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