絶縁した毒親が5年前に相談事業所に接触して以降、事業所が毎月私の情報を毒親へ流していた件で私の容体は悪化した
桃緑茶
第1話 実家アレルギー
今回は、吐かなかった。
それでも気持ちが悪い。
10年前、私は実家から逃げた。
実母に人格否定、暴言、暴力で支配される人生から脱出した。
それでも悪夢で跳び起きる日々が続いた。
あれから10年。
まさか社協の担当者が、毒親が5年前に電話で接触して以降、毎月毒親に懇切丁寧に私の情報を流していたとは思わなかった。
月に一度、私の事を聞いてきたらしい。
何をやっているか。
元気にしているか。
パッと見は娘を心配する母親だろう。
けれど。
私は母が怖い。暴力と暴言で支配される共依存の関係を終わらせたい。
だから実家から逃げて、住民票も閲覧出来ないように毎年申請してきた。
それが無駄に終わったも同然だった。
…祖父の葬儀に私は参加しなかった。
自身の住所は書かずに香典を送ったのだが。
送った郵便局から逆算したのだろうか。
…無理をしてでも遠方の市で送るべきだったか。
母と関わることに怯え、発作を起こした状態では出来なかった。
そして今回の件。
私の自宅住所の情報は出していないらしいが、非常に不快だ。
吐き気がしてたまらない。
持病の発作で動けない私の代わりに、パートナーが動いた。
こちらの情報の一切を伝えるなと社会福祉協議会に厳重に抗議。
これで一先ずは、今後の私の動向は漏れないと願いたい。
それでも気持ちが悪い。
新しい担当者は、毒親というものが理解できないのだろうか。
何年も会っていないなら、橋渡し役をしようとしたのだろうか?
滾々と疑惑の芽が咲き、不快な気持ちでいっぱいだ。
例えば、実母をストーカーに置き換えよう。
『貴方に傷害を負わせたストーカーに、毎月あなたの日常生活を伝えました。あ、住所などの個人情報は出していないので安心してください』
そう言われて、被害を受けた人間が心の底から感謝をすると思ったのだろうか?
この街に来ないのねラッキーとでも思えるか?
生憎、私はそこまで心が広くはない。
そう楽観的に思えない。
ああ、吐きたい。
けれど、3日ほど碌に食べていない胃袋には吐くものが無い。
指を口に突っ込み、舌の根っこを抑えても胃液しか出ない。
胃液を吐くのは嫌だ。
胃液で喉が爛れる。
そうなると、この時期だ。風邪をひきやすくなって困るのだ。
私はポンコツな身体を引きずり生きている。
風邪を引けば中々治らない。
精神疾患もあり投薬治療が無ければ生きていけない。
色々ガタが来ているが、今は気楽に生きていたというのに。
あれは生物学上の母であっても、もう籍の抜けた他人だ。
担当にもとっくに赤の他人となった事実は伝えたが。
まさか、20年以上私を支配した実母と関係改善出来ると思っていたのか?
1月30日にその事実が発覚した当時。強烈なストレス負荷が掛かった私の脳は、そんな疑心暗鬼で満たされている。
私は母を恐れている。
成人し、結婚適齢期になってもなお、私を理想の人形として支配し続けた母を恐れている。
私が結婚し、子供が生まれれば自分が育てると豪語する母が怖い。
なので、実母の影が見えた今回は、実家アレルギーを発症した。
広汎性発達障害による適応障害、ストレス過多による乖離状態。
私には国家資格を持つ医師が診断した病名はある。
だが、今回私の中で暴れている病は『実家アレルギー』だ。
そんなアレルギーは医学的には無いだろう。だが、これが妙に腑に落ちる言葉なので使わせてもらう。
私の実家アレルギーはそれなりに重症だ。
実母が私に粘着している情報を聞いただけで、著しく体調を崩す。
嘔吐、風邪ならまだマシだろう。
聞いた事実を頭から追い出そうと、自身の頭を殴る。殴る。
場所は問わない。瞬間湯沸かし器の如く沸騰した頭を鎮めるため、反射的に自分を殴りつける。
感情を制御することが出来ず、腕を刺すこともある。
手首を切るよりもマシかと思ったが、一度血管を刺して机が血だまりになってしまった。
兎に角、自身の制御も効かなくなるので非常に困る。
今は人に会うのもしんどい。
このアレルギーは当分長引きそうで嫌になるが、無理をしない方がいいだろう。
実家アレルギーを発症した私は。他人から見れば非常識なロクデナシだろう。
何せ、親族の葬式にも碌に行けないのだ。
葬式の最中に眠りこける愚物だ。
さぞかし、恩知らずな人でなしに見えてしまうだろう。
健常者のフリは難しいのだ。
医師に定められた上限の最大を投薬して、眠気に負ける。
病人として参加することは出来ない。
実家の連中は病気に一切の理解が無いし、何より。
非常識な行動を起こす相手に、自身のデバフを晒しては仲裁など出来ない。
まあとっくの昔に、葬式で醜態を晒す両親を諫める精神力が私には無いのだが。
実家を脱出して暫くは、半絶縁の体でいたので親族の葬儀には参加していた。
それも、祖父の葬儀を知らされ時には、不義理だろうと断念した。
祖母の亡骸の前で金の話をしたり、葬式代を撒けてと葬儀屋の男性に肉体をすり寄せる実母の姿に嫌気がさした。
当時は精神の病気を隠していたからね。
健常者のフリをしながら葬儀屋に土下座させる両親を諫めて、仲裁することが今では難しくなったのが大きい。
一度で懲りるだろうって?反省するだろうって?
そんなことはなかったよ。
親族にどれだけ諫められても、自分たちが正しいと信じているのだから繰り返す。
ロクデナシなりに、故人の為に礼儀は尽くした。
弔電や現金書留で香典を送るなど、葬儀欠席時に行う出来るだけの対応はした。
両親に会う事を思うと身体が震えて硬直して、行くどころではなかったのも大きい。
沢山の薬を飲んで、手首に傷を付けて。
そうしなければ、私は健常者のフリが出来ない。
ただ。
母の理想の人形にはなりたくない。戻りたくない。
だから実家アレルギーは大いに暴れ、私は絶不調なのだ。
私は、二度壊れた。二度、自分を明確に殺した。
三度目の修復は難しいのだから、安静にしておかないといけない。
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