堤防


静かな夜に

雨粒が踊る

心の湖に影が揺れる

耐えきれぬほど

溜まった言葉

たった一滴

波が砕けるの


ヒビの入った水面に

ほんの少しの雫が落ちた

堤防が裂けて

全ての想いが溢れ出して行く



抱えた痛み

押し込めても

胸の奥で

嵐がうずく

静寂しずかに隠れた

小さな雷

誰にも止められない


ヒビの入った水面に

ほんの少しの雫が落ちた

湖の堤防が裂け

全ての想いが流れ出す


逃げ場のない雨の中で

自分だけの声が響く

破れた水面に映る

わたしの形

揺れる


もう止められない

堤防は壊れたままで

流れ出す全ての色を

夜に溶けて消えて行く


流れ続けても

壊れたまま戻らない

そんな日々を

また今日も迎えてしまった




______________________________


2025/08/31

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