閉じる
表示設定
目次
シンデレラ
十二時（永遠）を告げる鐘の音
本当の私が目を覚ます
ガラスの靴はまだいらない
今夜だけ私でいたい
舞踏会（パーティー）の隅
影の花
誰にも見つからないように
あなたの視線が
一輪の私を照らした
夜会に咲いたシンデレラ
名も持たぬまま
恋に堕ちるなんて知らず
心があなたに染まった
咲いてはいけぬと知っていた
それでも綺麗でいたかった
言葉よりも先に瞳が
「好き」と告げていた様で
一時の夢が怖くなる
このままじゃ戻れない
ガラスの靴が足に馴染んで
偽物になっていく気がして
でもあなたのその手だけは
ずっと温かかった
秘密を抱いたまま
夢のようなその笑顔に
正体（私）を晒したくなった
「愛されたい」って罪ですか？
今夜教えてほしい
魔法が解けるその前に
あなたの名前を呼びたい
偽りでもこの瞬間が
わたしの真実（世界）だった
夜会に散ったシンデレラ
誰にも気づかれぬまま
ひとひらの恋に落ちて消えた
でも確かに咲いた花
次に出逢う日が来るならば
今度は名前で呼んでくださいな
____________________
2025/06/27
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます