勇者は量子力学的に世界線を渡る

雨宮雨彦

第1話


 俺が一角隊に加わったきっかけは、非常に単純だった。

 職もなし、食う物もなし。

 もちろん家もなしという状態で王都をさまよっていた時に、掲示が目についたのだ。


『一角隊 補充につき新人を求む』


 とある。


「一角隊って何だろ? 何をするんだろ?」


 見当すらつかないまま、物は試しと門番に尋ねてみると、


「一角隊の募集には、性別年齢などの制限は一切ない」


 という答えだった。

 こんなところでも三食は食わせてくれるし、少ないが給料も出るので、その場で応募を決意した。


「よし」


 と門番はうなずき、俺をある部屋へ案内した。

 部屋の中には背が低く、ヒゲもじゃで豚のように太った男がおり、このイノシシみたいなのが隊長だそうだ。

 驚いたのは、俺の入隊がこの場で許可されたことだ。

 翌朝から、さっそく訓練が始まった。

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