第2話

カメラの準備を終えたカンナは、顔に手を当ててから配信を開始した。

 

<おお、きたきた>

<始まったか?>

 

「やぁあやぁ諸君カンナだよ。みんな元気にしていた。カンナ今日は死神さんがいるダンジョンで冒険してみるよ」

 

<確か死神って難易度高いダンジョンだったよな>

 

「そうそう、でも今日カンナ結構頑張れる自信があるんだだから応援してね」

 

 カンナは元気よく愛想を振ってリスナーを笑わせた。リスナーは、カンナを信じて前に進む。

 

 カンナの武器は死神と友達って嘘をついて盛り上げて死神さんはこんな性格でこうなんだよって教えた。へぇそうなんだって思うリスナーは多いが、まさかそれが嘘ではないと気づいていないのだが、実はせいかいだったりする。

 

<死神の夕食は何かな?>

 

「はいはい死神さんの夕食は分からないかな。大体夕食を考えるのは一時間後だからな。分からないや。まだ考えていないみたい」

 

「はいはい。死神だけじゃなくて私の顔を見てくれると嬉しいな(ウィンク)ほらほら可愛いでしょう諸君。もっと盛り上げて。そんなわけで出ましたマッスルオーク」

 

 はカメラに向かって元気よく笑いかけ、オークを見つめた瞬間目が変わる。武器を持ちそれを楽しみにしているリスナーからはオークに勝てるのか不安になるリスナーが多い。

 

<オーク倒せるかな?>

<倒せるだろうオークだぜ>

 

前に前進したのはカンナだった。かんなの得意とするやりがオークに見事ヒットするが、オークも負けじと顔面に目掛けてオークの槍が襲いカンナは仕方なく槍を離して距離を空けた。

 

 もし槍を捨てなかったら瞬殺で負けていただろう。だが槍がないカンナではどうしようもなかった。次から襲ってくるオークの対処にどんどん追い込まれていた。

 

 

「死神様助けて」

 

ポツンと一滴の涙がカンナの目から流れた。その瞬間オークは槍でカンナを刺した。そのはずが、オークはなぜか彼女から距離を取った。何者かに殺されるそんな錯覚がオークにはあった。オークは恐怖に怯えた。誰に怯えているのかは分からない。だがどこからか目で見つめられている気がして震えた瞬間オークは燃えていた。

 

<カンナが魔物を倒した>

<カンナカンナ>

 

と湧き上がる声に「うわぁっぁぁぁ」と泣くことしかできない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る