第3話 蒼の挑戦

生徒会長の碧は、その日の昼休み、生徒会室で一人考え込んでいた。彼は他のメンバーの様子を見て、それぞれが抱える悩みに気づいていた。


「このままだと、生徒会としてまとまらない。」


碧は自分自身にも課題を感じていた。優秀な兄の影が常に付きまとい、自分が何を成し遂げても、どこかで比べられてしまう。


「俺自身がもっと強くならなきゃいけないんだ。」


大地が生徒会室に入ってきた。


「会長、何か悩んでるんですか?」


碧は少し驚きながら顔を上げた。大地の真っ直ぐな瞳が、彼を見つめている。


「いや、大したことじゃない。お前こそ、慣れてきたか?」

「ええ。都会はまだ慣れないことも多いですけど…生徒会の皆さんは頼りになりますから。」


その言葉に、碧は少し救われた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る