第8話
翌日は朝から溜息と、あからさまに紺ちゃんを避ける様な態度を取っていた事は後になって反省した。
上手く言えたのかは分からないけど…
紺ちゃんなら立ち直り早いだろうから…
一緒に泣いて帰るまでにも笑いはあったし…
窓の外パラパラと降ってきた雨。
「紺ちゃん」
「ごめんね瑠璃嫌な役まわりさせちゃって…瑠璃も辛かったよね…でも、ありがとうね言ってくれて」
「うん」
また泣きそうになったけれど、紺ちゃんの方が辛いんだ…
「じゃあねバイバイ!また明日ね」
「うん」
学校で紺ちゃんとは別れて、パラパラと降り出してきた雨に何も考えず歩き出した。
自分が失恋した様な気持ちとは違うけれど、それ以上に、紺ちゃんの泣いている姿みたら辛くなった。
切ないこの気持ち…
「何やってんだよ」
「えっ?」
息を切らして走ってでも来たのだろうか…
「濡れるぞ」
「っ…何で…あんたも濡れて…」
二人で入るには小さいビニール傘を、自分が濡れても平気なくらい、私を入れる…
「大丈夫か?」
「何が!大丈夫じゃないのはあんたでしょ!」
傘を持ち、左肩を濡らしているコイツは…
何でこんな時にまで…
「何で居るのよ」
「心配だった…から…」
「あっそ」
何よ、その心配は私に対してじゃないでしょに…
「お前が…心配だったから…」
「はぁ?」
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