第19話 襲撃者の正体

結界の中で動きを封じられた刺客。その目は鋭く、俺を値踏みするように睨んでいた。


「……なるほど、確かに噂通りの力だな」


「俺を狙ったのはお前か?何者だ?」


刺客は無言のまま結界を破ろうと魔力を練る。しかし、俺の結界はそう簡単に破られるものではない。


「……我らは“夜の牙”」


その言葉に俺は眉をひそめた。“夜の牙”——王国の影で暗躍すると噂される暗殺組織の名前だ。


「貴様ら、何の目的で俺を狙う?」


「貴様が王国の力の均衡を崩す存在だからだ」


刺客は冷たい声でそう言い放ち、瞬間、己の身体に仕込まれていた魔法を発動させた。


「……自爆魔法!?くそっ!」


俺は瞬時に防御障壁を展開し、爆風を防ぐ。煙が晴れると、そこには何も残っていなかった。


「“夜の牙”……やはり一筋縄ではいかないか」


王国の平和は、思った以上に脅かされているらしい。

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