第22話
潮の香りがする…
長い髪が、風によって乱される……
波が崖に当たり、大きな音を作り。
私と雪は、その崖の上で静かに佇んでいた。
手を強く握って。
──────そしてもう片手に拳銃を持って。
「彩月…いいの?」
「うん。どこまでも一緒よ」
「怖くないかい?」
「貴方と一緒だもの。怖くないわ」
「そう。なら、そろそろ?」
「うん」
「一瞬で終わるから」
最愛の人の心臓に、銃口を向ける。
そして最後に甘い口付けをし。
「彩月、愛してる」
「私も愛してるわ、雪」
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