第8話襲撃

荷馬車がガタガタと揺れる。


ドラゴンの討伐だけあってかなりの人数の冒険者が現地に向かっていた。


バリスタまで積んできているのを見ると、今回の戦いの力の入れようがわかる。


そして、今回は有名な魔剣使いが来ていると周りの冒険者の会話で聞いた。


名前は「コバヤシ」というらしい。


「たしか・・・一人目の転生者がそんな名前だったような・・・」












襲撃は突然だった。


ゴブリン達の襲撃。


森に入った時、荷馬車に食べ物があることに気づいた奴らにつけられていたのだ。


「いくぞ!」


冒険者達は荷馬車を飛び出し、戦いが始まった。


昼だったが、森は薄暗くゴブリンにとって有利なフィールドだ。


この状況でやるべきことはゴブリン達の頭目、リーダーを殺すこと。


皆戦いに慣れている上級クラスばかりだったが、その中でも明らかに強い冒険者がいた。


「スラ子!お前は群れを蹴散らせ!俺は敵の頭目をたたく!」


「わっ!わかった!」


周りの冒険者はざわつく。


「あれが魔剣使い、コバヤシか・・・!」














森の中で四方を囲まれ攻撃されている状況だった。


ゴブリンは一匹一匹は弱いが、群れともなると魔獣よりタチが悪い。


群れが大きいと洞窟や森などに居を構え地形を利用しながら波状攻撃をしてくることがある。今回はそのパターンだった。


「カイト!僕らは少しでもゴブリンを減らそう!」


「わかった!」


カイトは一撃でゴブリンを倒していく。


一匹一匹は弱い・・・!これなら・・・!


調子に乗って戦っていると、ゴブリンに囲まれている。気づいたときには手遅れだった。いくら雑魚でも何回も武器で殴られれば危険だ。


「カイト・・・!前に出すぎだよ!」


「うわっ・・・!?」


後ろからこん棒で殴られる。


・・・?


ダメージは受けなかった。


周りのゴブリンもそれを見て一斉に攻撃を仕掛けてくるが、まったく通じない。


驚いてたじろぐゴブリンを倒していく。


「もしかしてレベル、思ったより高いみたい・・・」


「そうみたいだね・・・」


チャモロさんも思わず呆気にとられたようだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る