動物園の檻
タマ
第1話
次郎君の友人は、動物園や水族館へ行くのが趣味です。
「面白いよ、動物園めぐり」 そう言って友人が見せたのは、S動物園のマップでした。
そのマップには、動物の檻(おり)に番号がふってあります。1番から25番まで。
「そこでスタンプラリーして、楽しかった」と友人は笑いました。
さて次の日。次郎君は缶コーヒーを買い、そのQRコードでキャンペーンに応募しました。
すると、S動物園の無料入場券が当たったのです。
喜んで、その券と動物園のマップをダウンロードし、それを見ると、不思議なことに、動物園の図に26の番号がふってあります。
「あれ?檻は25個じゃなかったっけ?」
その週末、次郎君はS動物園に行き、スタンプラリーをしました。スマホを片手に、25番目まで終了。
すると、遠くにぼぉっと、今まで見えなかった檻が1つ、浮かび上がりました。
動物園に現れた、あるはずのない檻。彼はそこに向かって、歩きました。
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