第60話相棒に迷惑
「あれ?おはようございます。麻衣さんと町田さん」
朝俺はランニングする時と同じ時間に起きてしまった。昨日は橘さんがお酒を飲んでいたから中止にしていたのに間違えてしまったのだ。
「おはよう咲夜君」 「おはよう氷室君」
「もしかして朝ごはん作ってくれているの?」
「うん、泊めてくれたお礼にね」
「麻衣さんも同じ考えだったみたいで一緒にね。あ、郵便受けにあった鍵使わせて貰ったからね。」
「そんな気にしなくて良いのに、でもありがとうね」
俺は近くの椅子に座り二人の料理風景を眺めていた。何か良いなぁ、新婚みたいだなぁ。
「・・・・新婚夫婦になった気分だなぁ」ボソッ
「「!?」」
麻衣さんと町田さんが急にこちらに振り向いてきた。
「どうかしたの?」
二人は「な、何でもないよ!」と顔を赤くしながら料理を続けていた。
しばらくすると皆起きたのかぞろぞろと家に入ってきた。
皆で朝ごはんを食べて女性陣はまた田辺家に着替えをするために戻って行った。
「麻衣さんに町田さん、ごはん美味しかったよ。ありがとう。それとご馳走さまでした。」
「ふふっ、嬉しいわ。ありがとう咲夜君」
「こちらこそどういたしましてだよ氷室君」
麻衣さんと町田さんが戻る前にお礼を伝えて俺も着替えと朝の弱い正輝と進を起こしに行った。二人は夜中ずっとゲームをしていたみたいだ。
支度が終わり水着を買いに車に乗り込んだ。
席決めでまたもめ始めたので俺は村正さんが運転する男子+マリアさんの車に乗ることになった。
これが一番平和な答えだろう。
助手席に座りながら俺は外の風景を眺めていた。この車は男性保護仕様になっているらしく外からは俺は見えないらしい。
車を運転している村正さんが気分転換なのか話しかけてきた。
「時に氷室様、質問があるのですが宜しいでしょうか?」
「はい、いいですよ」
「では、もし氷室様を好きすぎて堪らないひとから告白されたらどうしますか?」
なんかいきなり質問だな。
「そうですねぇ....その人の告白を無下にはできないので俺なりに全力で応えますね。どっちに転んだとしても」
「なるほどなるほど」
「では、私からも宜しいでしょうか?」
「はい、いいですよ」
今度はマリアさんから質問が来た。
「10人以上の婚約者を作らないといけない義務はどう思いますか?」
これまたいきなりな質問だ。
「義務って言うのがなんかいやですね。この男女比な世界なんで好きになった人が10人以上いたとかならわかりますけど」
「ほうほう」
さっきからどういう意図の質問なのかわからないな。
「では、最後の質問を」
「はい。」
「皆さんのことは好きなのですか?」
その質問は最近俺が一番悩んでいる内容だった。
「好きって言うのは?」
「そのままの意味です。」
「今正輝様と花房様はアイマスクとイヤホンをして眠っていただいているので、今は私達だけしか聞いていませんよ安心してください。」
皆というのは昨日お泊まり会した女性陣のことなのだろう。たぶん家族としてや友達としてじゃなく男女の好きの意味なのだろう。
...ちょうどいい機会だ。相談混じりで答えてみよう。正輝達も寝ているしな。
「これは相談混じりの答えなんですが、たぶん俺は女性として皆のことを好きなんだと思います。一緒にいると楽しいしこれからずっと一緒にいたい気持ちもあります。でもさっき言った義務としてと思われるのはお互いに悲しいので、俺の覚悟が決まったら俺から伝えたいと考えています。」
「俺が今、皆のそして自分の為に一番良い結果になると考えていたことなんですがダメですかね?」
「ふふっ、ダメじゃないですよ。」
「あ〜皆が羨ましいわ。男性にここまで愛されている女なんていないわよ!」
「正輝様ももう少し構ってほしいです!」
「進様もよ!」
「それは俺も思いますね」
「「ですよね!!」
マリアと村正さんが愚痴をこぼしながらも俺の考えを否定しないでくれた。
「なんか二人に相談したら気持ちが軽くなりましたよ。ありがとうございました。」
「私達も愚痴を聞いてもらってスッキリしました。」
「高速乗ったんで気分もいいし飛ばしちゃいますね!」
車は速度を上げ、後続車を置いていき目的地まで向かって行った。正輝達はイビキをかきながら眠っていた。
あれから一時間程で目的地についた。今回買い物する場所はいわゆるアウトレットモールで各ブランドの服などが売っている巨大施設だった。
「ちょっと恵!何であんなスピードで行ったのよ!」
「あはは、ちょっと楽しいことがあったからね!ね?マリアに氷室様。」
「うんうん!」 「ですね!」
「?」
そんなやり取りをしながら施設内に入るとやはり夏のせいか水着や夏服のセールをやっているお店ばかりだった。
「ここね!」
俺達が寄ったお店は夏限定でわざとやっているのかわからないほどの水着が並んでいる店だった。
女性陣は散り散りになり水着を漁っていた。
「とりあえず、俺達はそこの隅っこにある男性水着でも見てよっか。」
「あ、あぁ」 「う、うん」
女性陣の勢いに付いていけず俺達は大人しくしていた。
・・・・・・・・。
「さくや!どうかしら?似合う?」
「氷室君どうかな?」
「さっちゃん似合う?」
...なぜか俺は今皆に水着姿を見せられそれを評価する立ち位置にいた。
わざわざ見せに来なくても別荘に行ったら見ることになるんだからサプライズとして準備しててよ。というか相棒にあまり刺激を与えないでほしいな!
「ちょっと感想言ってよ」
「感想ほしいな?」
「なにか反応してくれると嬉しいんだけど?」
....わかったよ!・・・・!・・良しゾーンに入った。お望み通り審査してやるよ!
「姉さんは白のビキニ一択だ!絶対似合うし姉さんの良いところを出してくれるよ!」
「母さんは茶色系のビキニかな?花柄のパレオを巻いているとなお良し!セクシーな母さんがみたい!」
「一子はこのオレンジのビキニだな!いつも元気でかわいい一子に絶対似合う!」
「一江さんは赤のビキニで!その引き締まった体がより良く見えて俺も意識しちゃいます!」
「東城さんは黒のビキニだ!その色っぽさがより強くなるよ!目が離せなくなるね」
「...っ南条さんは黄色のビキニだね!その小麦色の肌と合ってかわいいよ!」
「町田さんはこの白のフリル付きの水着が合うとおもうよ!実はこのタイプの水着が好きなんだ!」
「せんちゃんは白のビキニ、百華さんは黒のビキニだね!親子で相対性のある色だとすごくエチです」
「橘さんは紺色のビキニだ!その魅力的な体に紺色の水着を着るとスタイルがより目立って非常に助かります!」
「麻衣さんは緑色のビキニが合います!その素敵なボディがより際立つと思います!だからその貝殻の水着はしまってください」ゼェゼェ
や、やりきった!俺のアドバイスを聞いてか、皆それぞれ一番自分に合いそうな水着を選んで買っていってくれた。
「うふふ♡いい買い物したわ♡」
「男の趣味に染まるのも悪くないわ♡」
「絶対悩殺してあげるんだから♡」
皆満足したようだ。それにしても買う前に試着した姿を見せるのは相棒に迷惑だから勘弁してほしいぜ。
海に旅行するための水着を買った後は俺の体力の限界と正輝と進が飽きてしまったので帰ることになった。
...いつかちゃんと告白して好き合えるようになったらこんな照れと疲労を感じずに素直に誉めて上げれるのかな。
俺は帰りの車の中で睡魔に勝てずぼんやりと考え事をしながら眠ってしまった。
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