第58話波乱を呼ぶ復学生③

「はい、まぁ一週間も経てば夏休みが始まるからな、今日みたいなハプニングさえ起きなきゃ皆仲良く夏休みに入れるからくれぐれも問題をおこすなよー!な?北城?・・・以上解散!」


郡山先生の終わりの挨拶の後、俺達も帰り支度をした。


皆は一度家に帰ってから泊まりにくることになったので俺と姉さん達は先に帰ることにした。


「今日からはせんちゃんとも登下校が一緒になるんだね。」


「そうだよさっちゃん!今まで一緒にいられなかったけど今日からずっと一緒だよ!嬉しい?」


「うん。嬉しいよ。」


「きゃ〜〜♡さっちゃんってば正直〜♡」


「私は週1でもこのうるさいのと一緒なのはちょっと嫌ね。」


「私もー。」


「二人とも辛辣すぎない?もっと仲良くしよーよー仲間でしょ?」


「俺も姉さん達には仲良くしてほしいかな?」


「「うん!私達仲良し!」」


「...アンタらもいい性格してるわ」


話ながら歩いているともう自宅のすぐ近くまで来ていた。

よく見ると、玄関前で母さんと一江さんが一人の女性と話をしている姿が見えた。


「ただいま母さん。」


「さくやちゃんおかえりなさ〜い」


「さくや君おかえり」


「あの、そちらは?」


母さんと一江に一緒に話をしていた綺麗な人のことを訪ねてみた。


「え〜さくちゃん私のこと忘れちゃったの〜??」


悲しそうにしながら俺を見つめてくる女性をよく見るとどこかでみたことがある気がした。そう幼少期の頃に...幼少期の頃?.....あっ!


「もしかして、せんちゃんママ...ですか?」


「きゃ〜♡覚えてくれていたのね〜さくちゃん♡」ムギュゥ


テンションが上がったせんちゃんママに抱きつかれてしまった。

今日は抱きつかれることが多い日だなぁ。


ドサッ!!


後ろから何か地面に物が落ちたような音がしたので振り返ってみた。


「....そんな...さくや君..が...私以外の人に...ママって....呼ぶなんて。」


一江さんがこの世の終わりかと思うような顔をしながら膝立ち状態でブツブツ呟いていた。


「せんちゃんママって呼び方も〜悪くないんだけどぉ♪今後を考えて百華ももかさんって呼んでほしいな♡」


「?わかりました。俺も昔に比べ大きくなりましたし呼び方変えますね。改めてお隣さんとしてよろしくお願いします百華さん」


「.....隣人としてだけじゃないのだけどね...」


一江さんを立ち上がらせて俺達は着替える為に家に帰った。


「じゃあ、食事はウチでして、お泊まりはさくやちゃんとお友達はウチで。女性陣は一江の家にお泊まりにしましょうか。」


母さんが姉さんに明日の買い物ついでにお泊まり会をすることを伝えて色々と準備していた。


「じゃあ一子、掃除するから手伝ってちょうだい」


「は〜い」


「礼子さんに一江さんごめんなさいね、ウチも使えたら良かったんだけど。」


「引っ越しの荷物がまだ片付いていないのだから仕方がないわよ。」


あれ?母さんと一江さんと百華さんは普通に仲が良いのかな?


「もしかして母さん達って知り合いだったの?」


「そうよ。さくやちゃんは覚えているかわからないけど、姉さんはおばあちゃんの秘書をやっていたから仕事の関係で私と一江は頻繁に姉さんに会いに行っていたのよ。そのときにね♪」


「さくちゃんはその時はうちの娘と近所の公園で遊んでたから気づかなかったかもね〜。」


「あと、たまにさくや君はお昼寝しているときがあったわねぇ。可愛かったわぁ。」


そんな昔から付き合いあったんだ。てか母さんの職業初めて知ったわ。小夜子さんの秘書ってことは本部務めだったのか、すごいな。


「思ったんだけど、俺ってよく公園で遊んでて無事だったね。誘拐とかなかったの?この世の中的に」


「それは大丈夫よ。姉さんとおばあちゃんが権力フルに使って、さくやちゃんが遊んでいるときに警護人を20人は公園に配置していたから。」


やりすぎだよ...ママン。


しばらくしてから皆が続々と家にやって来た。


「お邪魔します。すみません私までご招待いただきまして...こちらつまらない物ですが。」


麻衣さんも遅れてやって来て母さんに挨拶していた。


「麻衣さんカリオンを買いに行った時は挨拶できなかったけどお久しぶりです。」


「あら、正輝君お久しぶり。お姉さんは元気にしている?そっか咲夜きゅんと同じ学校だったんだ。」


「正輝と知り合いだったんですか?」


「正輝君のお姉さんとは友人でね。それで知り合ったの。あ、咲夜きゅ...君にはこれあげるね。お友達と食べて♡」


「ありがとうございます。」ニコ


麻衣さんが手土産にフルーツゼリーのセットを渡してくれた。麻衣さんが「あっ♡下着多めに持って来て良かった。」って言っていた気がしたけど俺はゼリーを冷蔵庫に入れないといけないので気づかなかった。


夜ご飯は出前祭りになった。ピザや揚げ物等を配達サービスを使い方大量に頼んだ。

大人達はお酒を。未成年達はジュースで乾杯した。


「こ、こんなご馳走食べていいのかな?」


「未久食べなさい!残してもしょうがないのだから遠慮しないで。」


「えっと、明日水着買いに行くのにいいのかな?って意味もあったんだけど...」


・・・・・・。


「本番までに体を絞れば問題無しよ!」


「そうですわ!せっかく用意してくださったのに残すほうがダメですわ!」


「静ちゃんの言うとおりだよ!」


「そうそう、ウチも沢山食べよっと。」


「そうだね、いただきます!」


「ま〜私は沢山食べても太らないから気にしないけどね〜。お寿司美味し〜!」


「は?」 「あ?」 「ん?」 「おっ?」 「ビキビキ」


女子達のテーブルは賑やかだなぁ。


「たまにはこんな風に賑やかなのも悪くないわねぇ。」


「あら一江?将来はこれが日常になってさらに家族も増えるのよ?」


「そうよ。一人あたり一人産んでもこの倍の人数なんだよ?想像するだけで楽しいわね♪」


「まぁ、私は求められたら沢山産みますけどね。」


「あん?」 「おい」 「へぇ...」


「わ、私は無事に産まれてくれて一緒に育児ができれば嬉しいです///」


・・・・・・。


「やだぁ、先生ってば純情すぎて可愛いww」


「麻衣ちゃんの言うとおりで旦那さんと一緒に育児をするのも良いわよね〜。」


「麻衣医師さすがですね。この橘!盲点でした!」


「私達の未来は明るいわ!」


お酒組も賑やかだな。


「そうだ!咲夜君にこれ渡したかったんだ。はい。」


正輝が6枚のチケットを渡してきた。


「これは?」


「今度僕達が住んでいる地域でお祭りがあるからそれのチケットだよ。それを運営に渡すと2000円分のお祭りで使える通貨と交換できるんだ。普通のお金も使えるけどね。」


「ありがとう正輝。夏だもんなぁお祭りあるよなぁ。絶対行くからね!」


「あとは町田さんと北城さんにあげれば良いかな。」


そっか、俺達と町田さんとせんちゃん以外は皆高級住宅街の自治区に住んでるんだっけか。


「うちの地域の祭りはすごいぞ!咲夜もビックリするだろうな!」


「へぇ、それは楽しみだな。今年の夏はイベント事が多くて暇しそうになくて楽しみだね。」


「だな!」 「うん!」


食事も終わりいい時間になってきたので、予定通りにこの家には俺達男子が、一江さんの家には女子全員が泊まる為に移り始めた。


「氷室様、何かありましたら我々に連絡をいただければ直ぐに向かいますのでよろしくお願いいたします。」


「わかりました。じゃあ皆おやすみなさい。」


夜になり、長く濃い1日が終わったのだった。


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