第36話交流教室③

午後2時半頃、俺達を乗せたバスは目的地の東キサラギにある施設に着いた。

俺達生徒はバスから降り、クラスごとにまとまり整列し、郡山先生からの今後の予定を聞いていた。


「んじゃあ、無事に施設に着いたんで交流教室の今後の予定を知らせるな〜。今日は普通に体を休める為に特に予定はないから自由にしてなー。本番は明日からだ!以上。」


先生の解りやすいようで要点がわかりにくい説明が終わり、各自宿泊する部屋へと移動していく。

施設内は男性警護人が複数人常駐しているので橘さん達も女生徒達と同じフロアの部屋に泊まることとなった。


一方俺達男子三人の部屋は凄かった。

部屋の広さが10人は泊まれるくらい広く、室内風呂は天然温泉掛け流しの露天風呂完備の豪華さだ。


「広すぎて落ち着かないな。」


「だねぇ。」


「男が泊まるんだ。こんなもんだろ」


俺と正輝は部屋の広さに驚いていたが、さすが国主8家といったところか、進はとくに驚いた様子もなかった。


「そういや、俺達Aクラス男子以外に他クラスの男子も交流教室参加してたんだな。」


「正当な理由がないのに休むと、男でも成績下がるからな、まぁ参加するだろう。」


「そんなルールあったんだ!?」


「あぁ、交流教室は意外と成績に反映されるんだぞ?」


「僕もそれ聞いてびっくりしたよ。」


「まぁ、皆来ているなら他クラスの男子とも仲良くしときたいなぁ」


「それはいいんだが・・・B組の男子には気を付けろよ」


「何で?」


「・・・会えば解る。」


「うん、気を付けてね」


部屋の中で進と正輝とで会話していたのだが、最後の話だけ気になってしょうがなかった。


・・・・・・。


しばらく暇だったので、部屋の中でカリオンをやりながら時間を潰していたら、もう食事の時間になった。

館内は学校指定ジャージで行動する決まりだったので、俺達はジャージに着替え食事場所である大広間に向かった。


「おぉ広い!!」


中はとても広く、全クラスの生徒が入っても余裕がある程だ、食事は自分で取りに行くビュッフェ形式だった。俺達の席は三人用だったみたいで、他クラスの男子の席も人数分の席が用意されており、女子は自由席だった。


「部屋もだけど、俺達ほとんど一緒だなぁw」


「だねぇ、でも僕は楽しいよ!」


「いつも一緒、それも悪くないな!」


俺達は好きな料理をそれぞれ持ってきて食べ始めた。

まさかカニがあるとは思わなかった、学生の修学旅行みたいなものなのにカニがあっていいのかと困惑したが、遠慮せずに大量に持ってきてしまった。


ふと、周りを見ると他クラスの生徒同士で楽しそうに談笑している女子生徒の姿がちらほらとみかけるようになった。交流教室の名前通りみんな交流し合っているようだった。


「ひ、氷室君、よ良かったら、は、話をしないかい?」


俺は黙々とカニを食べていると、急に声を掛けられた。

振り向くとそこには背が高い男子生徒がいた。

俺は食べるのを止めその男子生徒と会話することにした。


「良いよ、えっと初めましてだよね?俺は氷室咲夜よろしくね!」


「ぼ、僕は大林健太郎おおばやしけんたろうだよ。よろしく」


「おぉ!大林じゃないか!」


どうやら進と大林君は知り合いだったようだ。


「大林君はどこのクラスなの?」


「僕はC組だよ」


「確か、C組って」


「うん、男子は僕一人だけだよ」


最初の自己紹介の時は緊張していたのか大林君は詰まらせ気味で喋っていたけど、すぐに普通に会話できるようになっていた。そっかC組って男子生徒は大林君一人だけなんだ。


「咲夜!大林はな、ひら☆キラのファンで俺とよくグッズを買いに行ったりしているんだ」


「へぇ、じゃあ大林君もカリオンユーザーなの?」


「うん、偶に花房君とやっているよ」


「ちなみに僕も大林君とはカリオンやっているよ!」


「なんだよ、二人とも大林君と遊んでたのか、もっと早く紹介してくれれば良かったのに」


「なに、夜は4人でカリオンで遊ぼうじゃないか!」


「だな、大林君改めてこれからよろしくね」ニコッ


「う、うん。よろしくね氷室君///...話には聞いてたけどすごい破壊力だね・・・」


「?」


大林君は自分のイスを持ってきて俺達と一緒に食事をすることにしたみたいだった。

そのあとは主にカリオンの話をしながら楽しく食事をしていた時にまた別の男子生徒に話しかけられた。


「やあ、君が氷室君だね!」


そこにはやや筋肉質な体系の爽やかそうな男子生徒が立っていた。


「うんそうだよ。初めまして、氷室咲夜です」


俺はその男子生徒に挨拶をした。

また進の知り合いかなと思いチラっと進のほうを見たら、進は顔を青くしていた。

さらに正輝と大林君の顔を見たら二人も顔を青くしていた。


「ハハッ!まだ自己紹介がまだだったね!僕の名前は太田幸太郎おおたこうたろうだよ。よろしく!ちなみにB組だ!」


「太田君だね、よろしくね!」


太田君は爽やかに挨拶をし、俺達の前に椅子を持ってきて座った。

あれ?なんか俺の中の防衛本能が働いてきてるな。


「氷室君は婚約者がまだいないと聞いたんだが、本当かい?」


太田君はいきなりな質問をしてきた、だが相手は貴重な男子生徒だ。素直に答えてあげよう。


「うん、実はまだいないんだよね。ハハハ」


「そうか!!なら・・・ボクはどうだい?」


・・・・・こいつは何を言っているんだ?

俺は頭の中がフリーズしてしばらく固まってしまった。


「おーい聞いているかい?婚約者にボクはどうかな?と聞いているんだが?」


OK理解した!俺の防衛本能が働きだした理由が。

こいつはダメだ!仲良くはできない無理だ!もうだってさっきから無意識に俺お尻に力入ってるもん。絶対ここは守らないといけないって体が言ってるもん。


「いやーきついっス」


素直に答えた。


「う~んそうか、わかった!その気になったらいつでも声を掛けてくれたまへッ!」


その気には永遠にならないから!あと「え」を「へ」って言うな!なんかむかつく。


太田君は自分の椅子を持って元の場所に戻って行った。太田君のほうを見ると他の男子生徒が5人いたが、なんかみんなそれっぽかった。


「進が部屋で言っていた「B組には気を付けろ」の意味がわかったよ」


「あぁ、分かってくれたか。ちなみに正輝も大林も遭遇済みだぞ」


「そうか。良かったよ、大林君だけでも友達になれて。」


「ボクも、まともな友達が三人できて嬉しいよ」


俺達はその後、無言でカニを食べまくり食事を終えた。


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