幽霊だらけの古代都市!発達した呪術国家で、破滅的な未来なんて蹴り飛ばせっ! 幽霊たちと一緒に、ワクワクしながら元気に走り回るっっ!!!
折紙いろは
第一章 始まりの日
第1話 幽霊の街へ、ようこそ!
ねえ、古代の街って、どんなだったか、知ってる?
遠くには、はるか昔に、大きくて立派な建物が、立ち並んでいたんだって。
たくさんの人たちが、街中を歩いていて、食べ物を売り買いする市場があって……。
みんなで体を洗う、広くて大きい公衆浴場があったり、
私たちの住む場所も、そんなところなんだ。 大きな岩の建物が並んでて、色とりどりの服を着た人たちが、そこらじゅうを歩いてて。
お笑いを、みんなで楽しむような場所があったり、ちゃんとした政治をするための、大きな建物があったり……。
……でも、一つだけ、普通じゃない所があってね。 それは、
え? 幽霊? ……幽霊って、怖い顔をしていて、うらめしや~とか言って、襲ってくる、死んだ人のこと?
大丈夫っ! 私たちの街の幽霊はね、びっくりするぐらい明るくて、楽しい人たちなんだ!
…………はーいっ! ちょっと待ってーっ!
……あ、大声出して、ごめん。 いま私は、街を散歩してるんだ。 友達と一緒にいてね、向こうから、私を呼んでるみたい。
そういえば、私の名前を、言ってなかった。 私は、『
14歳の、普通の女の子だよ。 趣味は、不思議ななぞや、都市伝説を、探すことなんだ。
今日も街をめぐって、何かないかなって、散歩してたんだ。 いまは、その途中で、休憩中なの。
ひとりで岩に座って、休んでたんだけどね。 目の前には、海があって……風が吹いてきて、気持ちがいい!
ここは、島の上の街なんだ。 周りが海で囲まれてて、船がたくさん入ってくる。 このあたりで、一番発達したところなんだ。 みんなのいるところで言えば、「東京」とか「ニューヨーク」みたいなものかな。
そして! この街には、びっくりするような、大きな特徴があるんだ。 それは~??!!……あ、さっき言ったっけ。 そう! 幽霊が、街の中を歩いてるってことなのっ!
この街には、魔法みたいなものがあってね。 死者の国から、幽霊を呼び寄せることが、できるんだ。
幽霊たちは、街の住人として、ふつうに生活してるよ。
生きてて、
幽霊は、むかーし生きてた人のこと。 だから、あらゆる時代の人が、一緒にぐちゃぐちゃになってるんだ。 色んな時代のなぞや、都市伝説が、たくさん街の中を飛び回ってるのっ!! うぅっ、ワクワクするっっっ!!!
……あ、一人でウキウキしてたら、向こうから、幽霊の女の子が、歩いてきた。 さっそく来たっ! 私の友達、第一号!
風に髪の毛を揺らしながら、勢いよく歩いてくる。
「ちょっと、歌子! さっきから、何ブツブツ言ってんのよ。 ほら、休憩は終わりっ! はやく行くわよっ!」
来たっ! この子は、
元気すぎて、わりといっつも
「小春。 今、私たちの、活動記録をつけててね……」
……けど、もちろん私には、さわれない。 イェーイ、やったっ! あ、言い忘れてたけど、私は生きてて、
「そんなことは、後でも出来るじゃない! ほら、早く行かないと、舞台に間に合わないかもっ!」
今から行くのは、お笑いや、歌を歌うのを、聞いたりするような場所なんだ。 そういう場所は、この街にはたくさんあるの。
幽霊は、ものをさわれない。 にんじんみたいな食べ物も、レンガみたいな建築材料も、さわれないんだ。 料理を作ることも、
だけど、人を笑わせたり、歌を歌ったりすることは、できる。 だから、そういう風に人々を楽しませる場所が、ふつうより多いんだ。
私のところに、今度は、別の女の子が近づいてくる。 休憩してた私を、待っててくれてたみたい。
「歌子ー。 ……ちょっと、話があるんだけど、いい?」
ポーカーフェイスで、あんまり感情を、表に出さない子なんだ。 でも、変で
「うん、何?」
「……うーん、私、考えたことを
ユメは幽霊だから、紙にさわれないの。 メモを取ることができないから、いつも、不便を感じてるみたいなんだ。
なにか考えて思いついたことがある時に、メモが取れないのが嫌だって、最近はずっと言ってるの。
会話を聞きつけて、前を歩いていた小春が、入ってきた。
「あなた、まだそれ言ってるの? いいじゃない、憶えられなくても。 私なんて、今朝のことも憶えてないのに、こんなに元気よっ?!!」
そういって、小春は笑いながら、手足を振って歩いて見せる。 小春は、全然細かいことを気にしないの。 いつもこんな風に元気で、明るいんだ。
話していると、隣に、また別の人が来た。 大きな男の子が近づいてきて、会話に入ってくる。
「書き留められないって、どういうことだ?」
この人は、ミツバ。
背が高くて、力持ちの、頼りになる男の子なんだ。 私と同じで、生きてて、生身の体を持ってるの。
海に
話を聞きつけてきたミツバに、ユメは振り向いて答える。
「……私たちは
「じゃあ、憶えれば?」
最後のひとりが、横から入ってきた。 この幽霊の女の子は、イト。
静かで、頭のいい子なんだ。 何かを調べたり、研究するのが好きみたい。 他のことを忘れて、自分のやりたいことに没頭するような、ちょっと変わった子なんだ。
イトは記憶力がいいらしいから、憶えるのには、不便はないみたい。 だから、ユメの悩みも、どうでもいいらしいんだ。
案の定、ユメは顔を
「……だから、私、それが苦手だから……」
「あぁ、そうだっけ」
イトはやっぱりどうでもよさそうに、引っ込んでいく。 ユメの悩みは、結構みんな聞いてるはずなんだけどな。 そんなこと、誰も憶えてないし、気にしてないみたい。 ユメ、ドンマイっ!!wwww
あ! そうだ、この場で、もう不思議なことが起こってるの。 ここにいる5人って、生きた時代が、みんな違うんだ。
私とミツバは、今の時代に生きてるから、同じだけど。 他の人は、何百年も違ってたりするの!
生きてた時に、どんなものを見てきたかも違うんだ。 この島で生まれ育って、いまこんな風に一緒に歩いてるのに、不思議だね!
そろそろ、お笑いと歌の場所に、つくよ。 さあ、今日は、どんなワクワクすることが、起こるんだろうっっ!!!
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