第21話

「美味いな」

俺の意識を引き戻した一哉


「って…いつも言ってるけど

なんで一緒に食ってんだよ」


「だって 凛華ちゃんがいいって」


そう凛華と暮らすこの部屋には

相変わらず一哉も一緒に暮らしている


「出ていけよ」

「えぇっ…俺はお前の為に

ここで暮らしてるんだよ?」


「いや…凛華いたら

お前にしてもらう事ねぇし」


ここ最近の恒例行事のような

俺と一哉のやり取りを

笑って見ている凛華



「酷っ…

でも… まぁ?

お前の一方的な想いから

俺は凛華ちゃんを守ってるって事で


ね?凛華ちゃん」


そう言って

珍しく凛華まで巻き込む一哉


「えっ? 私?」

「そう だって ねぇ?

こんな強引な男と2人じゃ

凛華ちゃんもコワイでしょ?」


「お前…俺は強引でもなけりゃ

凛華を怖がらせたりもしねぇ」

「それは…椿がそう思ってるだけだろ」


「はぁっ…」

俺のため息に


「これ言ったら…

一哉さんを困らせゃうかな?」

そう言ってこっちを見た凛華


「ん? 俺? なになに?

椿じゃなく 俺がいい とか?」


ふざけた事を言う一哉に


綺麗に微笑んだ凛華



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