三月第二週その③ フレルの異能サバイバルバトルインザヘル(成明対スノト)

 孤狼とアイナが、フレルの魔法不意打ち受けやられた後のこと。

「むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ……」

 ティラミスの魔法少女がフードコートでティラミスを食べる動画に切り替わった。

 どうやら、孤狼がやられたことで、元のリアルタイムの映像に切り替わったようだ。

 コーヒーカップの帽子、カフェオレ色のおだんご、ティラミスを模したリュックサック、茶色いコート、白いセーター、黒いミニスカートをした巨乳の魔法少女は見られていることに気が付かないまま四角い器に顔を近づけている。

 そんな、マヌケな魔法少女を見ることもなく、ゆっくり歩いている魔法少女がいた。

「………………………………」

 銀のショートヘアーと赤いネクタイ、血管を模した髪飾りと血管柄のブレザー、ハリネズミを模したワンショルダーバッグと無駄包帯、血管を模したガードルと灰色のミニスカートをした巨乳の魔法少女。

「…………………ああ………………勝てるかどうか……不安だ………………」

 彼女の名は、吉田成明よしだせいあ

 あがり症な性格の魔法少女だ。

 ネガティブなことを言いつつも歩いて行く彼女。

 その魔法少女の父親は政治家。

 三兄弟の真ん中で、唯一女の子。

 肩にかけているハリネズミは成明が緊張を和らげるためのためのマスコット。

 実は、父親もあがり症で娘と似たようなところがある。

 だが、父親は牛の写真を待ち受けして緊張を和らげていた。

 これが親子それぞれのあがり症対策と言える。

 今、成明は噴水公園を彷徨さまよっていた。

 ツァッツァッ! 

 だが、バトルは突然始まるのである。

 シュッ!

「うあっ!」

 タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ!

「避けられたニャ!」

 パシュン!

「ニャーー!」

 現れたのはスコティッシュフォールドのケットシー。

 灰色のベリーショートと灰色のタレ耳、黒いタンクトップと水色の迷彩のズボン、灰色の細長い尻尾したモンスター娘だ。

 彼女が左手に持っているのは、猫の尻尾を模した猫じゃらし。

 たまたまいた鳩に命中したことで、鳴き声が猫に変わってしまった。

「てゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅてゅ…………テュルテュル・ペチュペチュ?」

「どうやら、参加者リストで知っているようだニャン。けれど、このケットシーテイルでは直ぐに避けられるニャ」

 スポッ!

 ケットシーテイルが効かないと解ったペチュ。

 彼女は猫じゃらしをしまった後、次の攻撃をしかける。

「にゃんこバズーカ! にゃんこロケット砲!」

 ヒウン! ゴーーーーーーーー…………

 ペチュは、魔方陣を二枚展開した後、バズーカとロケット砲を出した。

 それぞれにはスコティッシュ・フォールドの頭を模した弾がある。

 それと、魔法銃と爆弾も準備した。

 ピン!

「あんた、戦意を奪ってやる!」

 ドヒュゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

 バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

 ドカアーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

 ダッダッダッダッダッダッダッダッ!

 ペチュは、ロケット砲、バズーカ、爆弾、魔法銃の順に攻撃開始。

「ううん♪」

 彼女は、もう勝ったと思った。

「ニャア?!」

 しかし、成明にはそうもいかなかった。

「ううん!」

 なんと、手洗い場を盾にして攻撃から離れていたのだ。

 その証拠に、爆風とともに現れた五百匹のスコティッシュ・フォールドは、水を警戒するかのように丸くなっている。

「ニァァァァァァーーーーーーーーーー!」

「ごめんね。ペチュはあのお姉さんを倒せないよ」

「だったらあたしがあいつを倒してやろう!」

「ニャア?」

 打つ手を失ったペチュ。その声を聞いた魔法少女が噴水の反対側から歩いて来た。

 ツァッツァッツァッツァッツァッツァッツァッツァッツァッ…………

 ティアラと赤いマントと水色の水着と黄色いフリル。

 ツァッツァッ!

「スノト!」

 そう、今日から魔法少女になったスノトである。

「猫さん達には、あの魔法少女が強すぎるようだな」

「お願いニャン! 倒してくれたらメダルをあげるから戦ってくれニャン!」

「そうか、ならあたしに任せくれ」

 カラン! コォォォォォォォォォォーーーーーー…………

「ううん?」

 成明は、会話の途中で何かが落ちる音に気が付いた。

 目で追っていたら、自分より大きいおっぱいの谷間からメダルが落ちていたことを確認出来た。

 ハンデのつもりだろうか?

 あまりにも不用心過ぎる。

 成明は、これを見てチャンスと思った。

 そして、スノトに向かって一直線に走って行く。

 タン!

「ぐうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「ああ? マヌケな正面突破などぉぉぉ!」 

 ズウン!

「何?」

 正面突破だと思ったスノト。

 だが、急に成明が宙返り。

 そして、落ちたメダルを回収。

「させるか!」

 ダッ! ダダンッ!

「ううぅぅぅぅぅ………………」

「スノトの鉄拳はとても美しかった。けれど、ハリネズミほどでも無い」

「なんだと?」

 ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーー………………

「ううぅぅぅぅぅ………………」

 メダルを取った後に直ぐにしかけた四の字固め。

 スノトはトリッキーな体術に翻弄されて何も出来なかった。

「なぜ………あんな複雑な動きが出来る?」

「僕が使う魔法は集中力強化。一度に五ヶ所をマークすることが出来る。今は、君を含めて三ヶ所をマークしていたよ」

「もう、完敗だ…………メダルはあんたにあげる」

「ペチュもあなたにあげます。素晴らしい王様すら手に負えなかったで」

「ありがとう!」

 

 その後、成明は孤狼とアイナのメダル回収。

 闘技場に入って、決勝へ進出した。


 




 

 

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