第6話 魔導士
ギャレンとクインシーには申し訳ないが、ここからは単独行動をさせてもらおう。
これまでに集まったシールは【インプシール】【魔法使いシール】それぞれ36枚づつ。
【インプシール】 魔力+1
【魔法使いシール】 魔力+1 知力+1
魔力 魔法を使うためのエネルギー上限
知力 魔法の威力を上げ」
魔法使いレベル20の時に【火魔法シール】、レベル30の時に【土魔法シール】が現れた。
【火魔法シール】 ファイアボール ファイアウォール
【土魔法シール】 アースボール アースウォール
シール使用後のステータス
力 767
防御 250
素早さ 15
知力 52
魔力 91
運 6
シール化
盗賊Lv11 戦士Lv219 魔法使いLv47
剣士Lv3
ゴブリンLv3
鑑定Lv1 挑発Lv1 水魔法Lv1 火魔法Lv1 土魔法Lv1
「知力がかなり上がったから魔法の威力が変わったかもしれない」
水魔法は昨日取得した後に試し打ちをしてみたが、威力の強い水鉄砲くらいだったので、実戦ではまったく使えないレベルだった。
「”ウォーターボール”」
掌を前に構えて、そう唱えると洞窟の壁に勢いよく水が飛んでいった。消防車の放水並みだろうか。魔物には打撃を与えられそうだが致命傷にはなりにくそうだ。ウォーターウォールは厚さ30cmほど高さ2mほどの水の壁が出現した。
「ウォールは防御系だな」
火魔法は直径30cmほどの火の玉が、アースボールは同じくらいの石が砲弾のように飛び出した。
「火と土は実戦でも使えそうだ」
ファイアウォールは炎の壁が燃え上がり、アースウォールは実在の土の壁が地面からはえてきた。敵の魔法や矢などを防ぐ際に利用できそうだ。
「それじゃ、本格的にインプを狩っていくか」
洞窟の中は足場が悪く、自転車では移動できないが、草原ダンジョンと違い、インプとの遭遇率が高い。俺の今の走るスピードは100mを10秒を余裕で切るほどのスピードが出ている気がする。測れないから体感だけど。
単独行動を開始してから4時間ほど経過した。全速とはいかないが、そこそこのスピードで走っているので、インプがこちらを把握してから魔法を放つまでの間に殆ど殺すことができている。はっきりいって余裕だ。
「今日はこれくらいにするか」
洞窟の行き止まりに着いたので、ここで休息をとることにした。
4時間でたまったのは【インプシール】【魔法使いシール】72枚づつ。
「道具屋で買った魔除けの香炉を置いてと。本当にこれで来なくなるのだろうか。一応アースウォールで物理的に見えなくしておくか」
魔除けの香炉は魔物が近づかなくなるそうだが、臨戦態勢になっている魔物には効果がないらしい。
「それじゃ、剥がしていくか」
シールを剥がしていくと、魔法使いレベルが40になった時に【風魔法シール】が手に入った。
風魔法 エアカッター エアウォール
エアカッターはかまいたちのようなもので、エアウォールは竜巻のようなものが発生した。
魔法使いがレベル100に達した時、【魔導士シール】を入手できた。
「【魔導士シール】!Sランクパーティーにいたジョブだ」
【魔導士シール】知力+2 魔力+2
力 767
防御 250
素早さ 15
知力 52→151
魔力 91→297
運 6
シール化
盗賊Lv11 戦士Lv219 魔法使いLv47
剣士Lv3 魔導士Lv1
ゴブリンLv3
インプLv1
鑑定Lv2 挑発Lv1 水魔法Lv1 火魔法Lv1 土魔法Lv1 風魔法Lv1
魔導士Lv1・・知力補正 魔法威力補正
インプLv1・・看破 鑑定
魔導士の知力補正と魔力補正は取得前と比べて、見てみるとどちらも+20%だった事が分かる。
インプの看破はよくわからないが、偽装などを見破るものなんだろう。
シールから実物化したパンとスープをコンロで温めなおして食べ、日本で所有していた寝袋で仮眠を取った。
▼▼▼▼
「やっぱりあまりよく眠れないな……」
ダンジョンの中ということもあり、インプが現れてきそうで熟睡はできなかった。
「今日一日狩りをしたら帰ろう」
10日は持ちこたえられる食料は用意してきたが、疲労が蓄積しそうだったので無理はしないことにした。
その日も危なげなくインプを狩り、夕方には92枚の【インプシール】と【魔法使いシール】が手に入った。そろそろ帰ろうかと思った時、ドカっと重い音と地面の揺れがあった。
「何だ」
警戒しながら、その音のした方へと進むと洞窟に少し穴が開いていた。
「洞窟が崩れたのか?いや、素材的にこの壁のあたり、ダンジョンの壁じゃないな。人為的に隠してあるのか。」
俺がアースウォールで壁を作って隠れたようにここも壁で隠してあるようだった。壁を叩いてみると壁は崩れて、中に入れることが分かった。
「階段がある。地下2階への入り口が隠してあったんだ。」
階段を下りてしばらく洞窟の中を進むと、昨日ギルドで見かけたSランク冒険者が戦っていた。
3人で相手をしているのは2匹のインプだが1階のインプとは違う。1階のインプはせいぜい30cmほどで羽が生えて人間みたいな恰好をしているが、こいつは120cmくらいの背丈になっている。
インプウィザード
力 860
防御 866
素早さ 899
知力 1745
魔力 1851
運 323
火魔法Lv2
インプマジックソードマン
力 2122
防御 1988
素早さ 1879
知力 1255
魔力 1454
運 366
魔法耐性Lv1 火魔法Lv1
強い。俺は慌てて手持ちのシールを剥がしてステータスの底上げをした。
力 767
防御 250
素早さ 15
知力 151→264
魔力 297→539
運 6
シール化
盗賊Lv11 戦士Lv219 魔法使いLv211
剣士Lv3 魔導士Lv2
ゴブリンLv3
インプLv2
鑑定Lv1 挑発Lv1 水魔法Lv1 火魔法Lv1 土魔法Lv1 風魔法Lv1
俺のステータスでは完全に足手まといだ。Sランクのバトルマスターがインプマジックソードマン、魔剣士がインプウィザードの相手をして、後方から魔導士が魔法を打っている。
前衛だけだと押され気味だが、魔導士の広範囲の水魔法が放たれるとインプに隙ができ、その隙にダメージを与えるいう戦い方をしている。
「危ない!」
距離を置いて見ていたが、インプウィザードの放った直径1mほどのファイアボールが、魔導士のほうへと放たれた。俺は咄嗟にその魔導士の前に立ちはだかり、そのファイアボールを両断した。ファイアボールはかき消えたが、散り散りになった火の断片が体にあたった。
「ありがとう。大丈夫?」
「はい。突然割り込んでしまいすいません」
その後すぐにSランク冒険者達がインプを倒し終わった。
「君、大丈夫か。Cランク……とは思えんな。冒険者になったばかりか。」
「はい。階段があったもので降りてきてしまいました。」
「そうか。この先は危ないからすぐ引き返した方がいい。ここは定期的に間引きしないと外にあふれ出てくるので、討伐に来ていたんだ」
「わかりました」
俺は言われた通りすぐに引き返して、地下2階への入り口をアースウォールで再び塞ぐことにした。
▼▼▼▼
盗賊の撃退、ダンジョンでの圧倒的な勝利、Cランク冒険者の返り討ち、この世界で自分は強い方だと勘違いしてた。
「この世界にはまだまだ、俺の知らない強い奴らがいる」
世界最強を目指したいわけではないが、上が見えるとどうしても目指したくなってしまう。あの地下2階で現れたインプを自分で討伐できるようになりたい。
「おかえりなさいませ。ご主人様。あっ……」
俺はマリアを無言で抱きしめ、力強く抱きしめてその柔らかさと温かさを確かめた。
――――――――――――――――
小説を書き続けられるかはあなたの★次第
「もっと読みたい!」
と思った方は
★★★評価、♡応援、是非お願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます