男子3人でシェアハウスしてますが、恋人は別にいます
城餡苺
プロローグ
昨年フルリノベーションされたこの元団地にはエレベーターがない。
しょうがないよなあ、なんてったって元が団地だもんなあ。
そんなことを考えながら森本咲也は五階までの階段を昇る。
一六八センチの平均より低めの身長ながら体力はある方なため、お気に入りの曲を口ずさみながら軽々と足を運ぶ。背中にはお気に入りの白いリュック、左手には資材が入った紙袋と数本の飲み物と少しのお菓子が入ったビニール袋を持ち、あっという間に目的の部屋の前にたどり着いた。
リュックの横ポケットから部屋の鍵を取り出して鍵穴に差し込む。かちゃりという軽い開錠音の後ドアを開けた。
「おは、」
「ふざけんな!お前が締切は月曜日だって言ったんだぞ!間違えたで済むかこの馬鹿野郎!」
「綴さん落ち着いて!あ、咲也さん!綴さん鎮めてください、まじ怖い!」
「鎮めるってなんだ唯!おれは悪霊じゃねえんだぞ!」
「ひっ!ご、ごめんなさい~!」
「わぁ、荒れてるねぇ」
ここはとある賃貸の五〇二号室。全員男、全員二十代、全員彼氏持ち。そんな俺たちはここで、シェアアトリエをしている。
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