第18話 【匿名告発】
【匿名告発】 ※2024年4月17日 編集部宛メール
貴社発行の『母の願い』を読みました。
2月15日の集団出産事件について、私からも証言させてください。
私は「母の会」の第二期メンバーでした。
2023年5月に参加し、翌年1月に出産。
本に書かれていた内容、全て事実です。
でも、まだ誰も気づいていない重要なことがあります。
これは一度きりの出来事ではありません。
半年ごとに繰り返されている。
私の時もそう。その前もそう。
母子像は、ずっと新しい母たちを求め続けているのです。
「交換」は突然始まります。 最初は普通の妊婦健診でした。
順調な経過。
でも、ある時から全てが変わり始める。
胎児の心音が消える。でも産声は上がる。
赤ちゃんの体温が低い。でも健康。
そして何より、子供の顔が、どこかで見たような...
私の子供は今、2歳4ヶ月。
見れば見るほど、母の会の他のメンバーの子供たちと同じ顔に見えてきます。
写真を見返すと、生まれた時から少しずつ変化していっているのが分かります。
でも、怖いのはそれだけじゃありません。
私たち母親も、少しずつ変わっていく。
同じような仕草、同じような話し方。
気付けば「私たち」という言葉を使っている。
個性が溶けていくような感覚。
『母の願い』に書かれていた2月の事件。
7人の母親たちの同時出産。
実は去年の夏にも、その前の冬にも、きっとその前にも... 私たちは永遠に新しい母になり続けているのかもしれません。
だから警告します。
もし、あなたが母親なら、 もし、あなたが子供を望んでいるなら、 決して母の滝に近づかないで。
きっかけはSNSかもしれないし、 友人からの誘いかもしれない。
でも、始まりは些細なもの。 気付いた時には遅い。
そして最も重要なこと。
もし子供の泣き声が聞こえても、 決して振り返らないで。
その声は、もう私たちの子供のものではないから。
追伸: このメールを書き終えようとしたとき、 隣の部屋で息子が目を覚ましたようです。 でも、その泣き声は... ああ、また新しい交換の時期が近づいているのでしょうか。
[メール終了]
※編集部註: 差出人の情報は全て削除されていたが、 メールヘッダから送信時刻が4月17日午前3時33分であることを確認。 返信しようとしたが、アカウントは既に削除されていた。
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