母の願い
気分上々
第1話 プロローグ
青柳と申します。
本作品を手に取っていただき、誠にありがとうございます。
私はフリーライターとして活動しており、主に新聞社や出版社から依頼を受けて事件や事故の取材を行っています
。時には週刊誌の原稿も書きますが、そういった経歴は本作品においては重要ではありません。
むしろ、私がこの作品を編纂した理由をお話しするべきでしょう。
実は、私の友人が失踪してしまったのです。
彼女の名前をここでは仮にAさんとしておきましょう。
彼女は新聞社の社会部記者でした。事件や事故を追いかける記者としては異色の存在で、取材対象者への共感力が高く、時にはプロとしての冷静さを欠くことすらありました。
でも、それは彼女の長所でもありました。
誰もが避けるような悲しい事件でも、彼女は当事者に寄り添い、丁寧な取材で真実に迫ろうとしていました。
そんな彼女が、ある日突然、連絡が取れなくなりました。
最後に彼女と会ったのは、徳島県の■郡での取材の打ち合わせの時でした。
彼女は、その地域で起きている不可解な連続自殺事件の真相を追おうとしていました。
その事件について、彼女は「母親たちの呪い」という言葉を口にしていました。
具体的に何を意味するのか、その時は私にもよく理解できませんでした。
しかし、彼女の失踪後、彼女の取材メモや関連資料を整理していくうちに、おぼろげながら見えてきたものがあります。
以下は、彼女が残した取材メモと、私が独自に収集した資料をまとめたものです。
これを読んでいただければ、なぜ彼女が失踪したのか、そしてなぜ私がこの作品を編纂する必要があったのか、おわかりいただけるはずです。
それでは、資料をご覧ください。
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