異世界転移した追放予定のモブ悪役魔法使い、最弱魔法を極めた結果、家庭教師の彼女に隠された真実から世界の運命に挑むことになった件
シンエイ
第1話 転生した先はゲームのモブ悪役魔法使い
セリオは目を覚ました。どうやら、思っていたよりも柔らかい布団に包まれている。いや、布団じゃない。カーテンの向こうから差し込む光が、どこか異世界のような雰囲気を漂わせていた。
「…ここ、どこだ?」
セリオがぼんやりと呟いたその瞬間、部屋のドアが開いて足音が近づいてきた。
「お目覚めですね、セリオ様」
セリオは思わず身を固くした。扉から現れたのは、青い髪のメイド服を着た女性だった。彼の心臓が早鐘のように打ち始める。なぜならその女性は、かつてゲームで何度も見た顔だったからだ。
「まさか…メルディア?」
「はい、セリオ様。メルディアです」
彼女が微笑んだ。その微笑みの裏には、まるでゲームの中のキャラクターのような違和感があった。セリオはどうしてもその違和感に抗えなかった。
「どうして…ここに?」
セリオが思わずつぶやいた。その言葉に、メルディアの表情が少し固くなった。
「セリオ様、どうされましたか?」
「いや、なんでもない。ちょっと…頭がぼーっとしていてさ」
セリオは視線をそらしながら、部屋を見回す。豪華な家具、絢爛な装飾品。全てがゲームの中の舞台に似ていた。そして、すぐに気づいた。自分が今いる場所が、どうやらゲームの世界そのものであることを。
「まさか、俺…ゲームの中のモブキャラに転生しちゃったのか?」
「ゲーム…?」
メルディアが首をかしげる。その姿に、セリオはギクリとした。ゲームの知識がないわけがない。これが、ゲームの中で繰り広げられる世界だと確信していた。
「いや、なんでもない。俺は今、どこにいるんだ?」
「セリオ様は王城の中にいらっしゃいます。今後、入学式が近いので準備を」
「王城…?」
セリオは内心で驚いた。ゲームの設定で王城に関わるキャラクターなんて、当然モブの中でも一番影の薄い存在だ。気づかれずに役目を果たして消える運命だ。
「というかさ、俺…どんなキャラだったっけ?」
セリオが呟くと、メルディアは少し驚いた様子で彼を見た。
「セリオ様は、魔法使いとして非常に優れた才能をお持ちですが…あまり周囲との関わりを持たれることがないので、あまり話題にはならないのです」
「ああ、そうか…」
セリオは内心で呟く。なるほど、魔法使いとしては最低限の力を持っていたが、それだけだった。ゲーム内でも「モブ悪役魔法使い」として、最後には物語の進行に邪魔になる存在として退場する運命にあった。
「待てよ…退場って、まさか…」
セリオがハッとした。その時、メルディアがふと口を開いた。
「セリオ様…この世界でどうしたいと思われますか?」
その問いにセリオは一瞬、言葉を失った。ゲームでは、モブキャラは最終的に物語の脇役として消えるしかなかった。しかし、今この世界に転生した自分は、そんな運命を受け入れたくはなかった。
「俺は…運命に抗って、もっと強くなる。自分の意志で、ここで生き抜く」
セリオは決意を固める。だが、その時、メルディアが微笑んだ。
「セリオ様なら、きっと何かを成し遂げられるはずです。頑張ってくださいね」
その言葉を聞いて、セリオは少し戸惑いながらも、心の中で誓った。今度こそ、モブキャラの運命に終わることなく、自分の道を歩むのだと。
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