#08 アリアンフロッドについて
それでは、アリアンフロッドについて、解説を進めていくことにしましょう。
つっても、アリアンフロッドという言葉そのものは、ケルト神話に登場する月の女神の名前です💦
今回、解説するのは、その月の女神ではなく、なりちかさんの小説に登場するアリアンフロッド及びアリアンフロッド機関について、です。
アリアンフロッドとは、アリアンフロッド機関によって認定された転生者です。
転生者というか、【紫紺のイーヴルアイズ】に登場する転生者はすべて、死者の魂だったりします。
【紫紺のイーヴルアイズ】の世界が未来の地球であることは、どこかに記したと思いますが、過去の時代、彷徨っていた死者の霊を呼び寄せて、アリアンフロッドとして、奈落よりのものと戦わせている、ということですね。
さて……未来の地球ですが、奈落よりのものの侵略に晒されております。
奈落よりのものは、封印されているとは言え、混沌の泉から湧き出すこともあります。
奈落よりのものは、近づいただけで常識の殻が破壊され、怪物となってしまう、かなり危険な相手です。
現在の地球の人間には、抵抗力もないので、あっという間に地上はプレセント・フォーマーでいっぱいとなってしまいます。
そこで、よくある展開ですが……ファーヴィルは未来の地球から勇者を召喚して、倒してもらうことにしたのです。
ですが、肉体を持った存在をそのまま、呼び寄せることはできないので、霊魂を呼び寄せて、仮初めの肉体を与えることにしました。
霊魂は、現代の地球の死者の魂で、それを時代を超えて呼び寄せているのですが、そのために、ファーヴィルは招魂殻というものを、用意しました。
招魂殻には、霊魂を呼び寄せる効果がある鉱物ですが、これは真珠のように、獣のなかで年月をかけて育てると、より大きな殻へと成長します。まぁ、真珠みたいなものですね。
煉獄(アストラル界)という、この世とあの世の狭間に、この殻の欠片をばら撒くと、招魂獣はそれを体内に取り入れ、体のなかで殻を育てていきます。
この殻に反応して、霊魂が呼び寄せられてしまう……ということです。
殻は、魔力を溜め込む性質もあるので、獣はそれを取り入れることによって、自身を成長させていきます。
アストラル界に呼び寄せられた転生者は、招魂獣を倒し、招魂殻を得ることで、肉体を得ることが可能になります。招魂獣の討伐には、他のアリアンフロッドたちが手助けしてくれます。彼らは既に肉体を得ておりますが、アストラル界を一度、通過した者は、その後も出入りすることが可能になります。
また、精神が汚染された場合も、アストラル界へと転移させられてしまいます。ただし、アストラル界で魂を滅ぼされてしまうと、二度と復活することは出来なくなります。
ゲームでも展開されていた『サイバーナイト』という作品があります。
読者の方はご存知でしょうか?
未来の銀河系の深淵部を舞台に、バーサーカーという機械生命体と戦う……という内容でした。
私は小説は読みましたが、ゲームは未プレイです。
サイバーナイトでは、主人公は仲間たちとパーティを組み、ミッションをこなし、装備を補充したり、武器を強化して……という、まぁ、ファンタジーRPGと内容は変わらないのですが、ファンタジーRPGでは、魔法で復活できますが、SFではそういう理屈が通用できません。
では、死亡したら、どうするのか……普通なら、死んだらそのまま、ということになると思いますが、ゲームの仕様上、パーティになれるメンバーも限られているので、復活というシステムはどうしても必要になります。
では、どうしたか、というと、クローンを用意したのです。
クローンを培養して、そこに記憶などを転送することによって、オリジナルの人間とまったく変わらないようにして、死亡したら、別のクローンを起動させる……となっております。
サイバーナイトは、他にもSF的ギミックがしっかりと設定されていて、めっちゃ好きな作品なのです。四行法則、というゲーム理論に関する話も展開されていて、それも印象的なのですが、それに関しては、また別の機会にて。
で、このクローンを培養して、記憶を転送させたら、ファンタジー作品でも、主人公たちが死に戻りすることに、理論的な説明が可能ではないでしょうか。
『NieR:Automata』でも、2Bや9Sは人間ではなく、アンドロイドですが、似たような概念が使われております。
ファストトラベルでも、一瞬で移動することができるのは、このクローンに情報を転送しているから、なんですが、面白いですよね(^^)v
……さて、話が逸れました。
【紫紺のイーヴルアイズ】でも、この考え方を踏襲しております。
アリアンフロッドたちは、自分たちの肉体のコピーを用紙しておいて、記憶などをあらかじめ、転送しているので、復活しているように見えるのですが、クローンがリレーをするように、バトンタッチして、行動しているから、なんです。
こちらの世界では、ドールですね。
ドールに意識を移して、アリアンフロッドたちは奈落よりのものと戦っている、ということです。
地球から召喚された魂が、アストラルフィールドにて招魂殻を入手しなければならないのは、招魂殻を通じて、ドールに肉体のデータを覚え込ませるため……という説明なら、設定と矛盾が少ないのではないでしょうか。
さて……こうして、招魂殻を入手した転生者の魂ですが、アリアンフロッド機関へと送られ、リスポーンゲートに肉体のデータを登録されて、ようやく活動することが可能になります。
ここらへんの顛末については、「はじまりの賛美歌」にて執筆する予定です(宣伝、宣伝♪)
アリアンフロッド機関に所属している転生者たちのことは、アリアンフロッドと呼ばれます。
彼女たちは、アリアンフロッド機関の拠点の外へ出ることは許されず、奈落よりのものとの戦いを強いられることになります。
アリアンフロッドたちは実質、不老不死の存在となります。
彼女たちは魔術師のようなものなので、子供が作れませんが、不老の存在となります。
また、死んだとしても、リスポーンゲートに肉体のデータが保存されているので、不死となります。
因みに、魔術師たちは不死ではありません。
アリアンフロッド機関のやり方に憤りを感じ、外の世界へと出ていったアリアンフロッドたちもいますが、少数です。
リスポーンゲートから離れると、死に戻りは出来なくなるので、不老なのは変わりませんが、死んでも復活は出来なくなってしまいます。
また、アリアンフロッドには奈落よりのものからの精神汚染にある程度、抵抗力は身についているものの、常識の殻を破壊されてしまうと、ロストソウル化してしまうのは、同じです。
エンプロイアーとなってしまったアリアンフロッドの存在は知られておりませんが、どこかの作品で登場するかもしれませんねww
さて、アリアンフロッドとして活動することになった転生者ですが、招魂殻から斬奸剣(アビス・ブレイカー)を作成することによって、奈落よりのものに対抗する手段を得ることになります。また、天恵という、強力なスキルも獲得します。これは、色々と設定しているのですが、長くなるので、ここでは説明は省きます。
スキルとしては、仲間同士でテレパシーで瞬時に考えを理解したり、強力な回復能力だったり、敵に気付かれずに、攻撃を行う能力などです。
また、アリアンフロッドは、エーテル・リンケージと呼ばれる装備を、機関から与えられます。
これは、ロストテクノロジーで作成されたもので、スマートフォンのような形をしております。
エーテル・リンケージには、リンケージ・スキルと呼ばれる支援用のプログラムをインストールすることによって、戦闘中に様々なスキルを使用することが可能になります。
アリアンフロッドですが、彼女たちも引退を選択した者もなかには、おります。
理由は様々です。戦いの日々に厭気がさしてしまったり、アリアンフロッド機関のやり方に反発したり、などなど。
引退した彼女たちですが、教官になったり、または街や村で暮らしたりしているようです。
ドールも、普通の人間と同じように老衰していくので、アリアンフロッドだったとしても、差異などはありません。
ただ、リスポーンゲートの登録は外されてしまうので、死亡しても復活をすることはできなくなります。
また、ドールはとても高価なので、償却しきれないアリアンフロッドは、希望していても引退することができない場合があります……世知辛いですね(T-T)
アリアンフロッドに特有のものとして、『烙印の傷跡』というものがあります。
【紫紺のイーヴルアイズ-烙印の傷跡-】のタイトルにもなっておりますね。
これは、アリアンフロッドが死に戻りをする際、傷跡もドールにコピーされてしまうので、肉体は完全に回復しているのですが、傷跡だけは残されてしまっております。
傷跡は、コンシールクロスである程度、隠すことはできるものの、顔や腕、背中など隠すことができない部位に残されてしまうと、厭気がさして、引退を決める元アリアンフロッドもいるようですね。
銅でもいい話ですが……この『烙印の傷跡』のタイトルは、アニメ「アサルトリリィ」の主題歌「Edel Lilie」 を聞いていて、連想しました。「Edel Lilie」の歌詞はここでは転載できないので、興味ありましたら、Youtubeなどで視聴してみてくださいませー。
というところで、アリアンフロッドについては、ここらへんで。
次回は魔術について(その2)を予定しております。
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