第20話 やりたいことを追い求める人

――アオヤナギーの部屋


 ガーゴイルさんがシリアスな顔で、言いました……いや、怪人の顔ですので正直、シリアスかどうかは分からなかったのですが、多分、シリアスです。

「それと……アオヤナギー、今から、次の試合だ」


「へっ……?」

「まさかですわ!?」

「それは、ヤバいよッ! 」

 と、全員が驚きの声を上げました。


「うむ……本来なら試合は1週間に一度なのだが……あまりにも……あまりにも83というオレタタ値は酷い……だから、博士たち運営は一気に試合を組んでしまって、そのまま終わらそうとしているのだろう……うぅむ……」


 やっぱり、週刊漫画雑誌の手口!?まぁ、今は、戦いのことを考えましょう。せっかく異世界に来れたわけですし、まだ、私、全く、堪能できていないわけで、ここで『タヒぬ』のは、残念ですからね……。


「このピンチ……突破するには、スキルの謎を解き活用するしかないようですね……フフ」

「やっぱり……なんだかあなた、妙に自信がありますわよね……」

「……どうでしょうね……まぁ、私は、今まで私のやりたいことだけをただ追い求めて、生きて来ただけですからね……結構、今の状況、私のやりたいことに近いのですよ……だから楽しいのです……」

「え……っ!?あなた……な、何者なのですの」


「私はただの元ゲームプランナーです。しかもポンコツの。元の世界では働き口も無く、ほぼ必要とされない存在、ただそれだけです」


「……」


「似合わないシリアスは生き残ってからになさい!」

「はい」

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