ちゃんと、二度、酸っぱい。「僕」のこれまでに、これからに、エールを!

実のところ、今は二度目の読後である。
一度目に「レモンが絞られたような読後感」などと思っていた自分を問い詰めたくなるくらい、幾度も心を揺り動かされ、頁を進める手を止めないことに必死だった。
「剪断」をむかえた瞬間、あるいは直後、「僕」にはどんな景色が見えていただろう。そのことに思いを募らせていくうち、また胸を張って言いたくなる。

「泥のような出来事の数々に対して、すがしがしさとも呼びたいさわやかな風が吹きわたるような レモンが搾られたような そういう読後感のある、楽しい小説でした」と。