かつて日本という国が……(+1/自主企画)
アイス・アルジ
かつて日本いう国が……(一話完結)
今は地下深く、かつての地球、青空の下に日本という国家があった。
考古学者の卵、KRシシーは〝ミユニオン〟の地下情報庫で膨大なデータを発掘中に〝日本〟という新属の古代
今、国家という概念はない。地球には〝ミユニオン〟という、ただ一つの社会構造があるだけだ。かつての〝デスコースト〟(資源枯渇に伴う最終戦争)を生き延びた人類はミユニオンを形成した。人類に残された資源は過去の膨大なデータのみで、多くの科学技術と学術知識が失われた。人は権威に従う生物だ、しかし人口が著しく増加すると、行き過ぎた権威主義と資源の争奪が激しくなり、人と人類を破滅の道に押しやった。
ミユニオン社会においては、権威は厳しく制限されている。何よりも、人口が激減したことで人類は一つにまとまった。そして、地球はデスコーストから再生し始めた。植物相と昆虫類はいち早く再生し、増殖した。ミユニオンも新たな時代に向け、再興を始めている。しかし人口が増えることで、人々の共生意識の分断と、権力争いの再発の可能性が増す。過去の過ちを繰り返さないため、古代国家の形成と分断、戦争に至るメカニズム、社会構造変化に関する研究が行われている。
膨大なデータの中で、発掘作業が行われた箇層はごく一部で、今までに発見されている古代国家は主に〝USα〟〝中家c〟〝NATu〟三大属国家のみだ。この中に小規模な
KRシシーが発見した日本
KRシシーは、がぜん日本国家への興味が増した。もっと研究すれば、過去の過ちを繰り返さないための見識が得られるかもしれない。彼は賢人教授に提出するレポートの作成に取りかかろうと、この発見を記録した媒体を咥え地上へ舞い戻った。そして、人起源のコンピュータに記録媒体をセットすると、夕焼け空を見上げた。
説明が遅れたが、彼ら人類(正しくは人類後継者)は翼があるため、デスコーストを生き延びることができた。しかし、もしまたデスコーストのような最終戦争が勃発したら、次は生き延びられる保証はないのだ。
KRシシーはカアーッと一鳴きすると、未来を見つめ、黒光りする嘴でキーボードを叩き始めた。
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